【決定版】水道業界でのRPA本格活用|事例に学ぶ
失敗しやすい点と成功のポイント
最近、 「RPA」は水道業界において業務効率化やデジタル化の進展への対処として導入が増えています。そして、これからますます活用が期待されています。
RPAについてすでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが念のためお伝えすると、RPAとはRobotic Process Automationの略であり、パソコンの定型業務を自動化するソフトウェアのことです。
ですが、そんなあなたは次のようなお悩みお持ちではないでしょうか。
・水道業界でRPAを導入したが失敗してしまった
・水道業界でRPAを使うと何ができるのか
・水道業界でRPAの導入を検討しているがどうすればよいかわからない
弊社では、多くの水道業界さんからRPA活用に関する相談をいただきます。
そのような経験からこの記事では、水道業界でRPAの運用サポート実績多数の弊社が、水道業界でRPAを導入するメリットから導入事例、RPA導入に伴う失敗やトラブルの対処法までわかりやすく紹介します。
目次
水道業界が抱える課題
現在、水道業界は、高度な専門知識と技術を駆使して公共の水供給と衛生を保つ重要な役割を担っています。しかし、この業界も多くの課題に直面しており、特にインフラの老朽化とデジタル化の遅れが顕著な問題として挙げられます。
老朽化したインフラストラクチャーは、特に水道業界において深刻な問題を引き起こしています。この問題は、インフラの物理的な経年劣化や、時代遅れの技術の使用に起因しています。
水道インフラは、配水管、処理施設、ポンプステーションなど、多岐にわたる要素で構成されています。これらの設備は、時間の経過とともに腐食や摩耗が進みます。特に、地下に埋設されている配水管は、腐食や内部の堆積物によってその機能を徐々に失っていきます。これにより、水漏れや破裂のリスクが高まり、水の浪費や供給の中断が生じる可能性があります。
古いインフラは往々にして、現代の技術基準に適合していません。例えば、古い配管システムは、新しい水質基準や配水効率の要求を満たせないことが多いです。また、既存の処理施設は、新しい環境基準や処理技術に対応できない場合があります。
老朽化したインフラのメンテナンスは、コストが高く、複雑な作業が必要となります。特に、都市部では、地下インフラにアクセスすること自体が一大事業となり得ます。加えて、インフラの更新や修理は、しばしば長期間にわたる水供給の中断を伴います。
老朽化したインフラは、自然災害に対する脆弱性が高まることを意味します。地震や洪水などの災害時には、古い配管や施設が損傷しやすく、水供給の安定性に影響を与える可能性があります。
老朽化したインフラの更新や修復には莫大な費用がかかります。多くの自治体や水道事業者は、必要な資金を捻出するために苦労しています。これにより、インフラ更新の遅延や、最終的なコストが消費者に転嫁される形となることがあります。
非効率なデータ管理は、特に水道業界において重要な課題の一つです。データ管理の非効率性は、情報の収集、処理、分析、共有の各段階において様々な問題を引き起こし、結果として業務の遅延や意思決定の質の低下につながります。
水道業界におけるデータ収集は、水質、流量、顧客情報など多岐にわたります。従来の手法では、データが手動で収集されることが多く、このプロセスは時間がかかり、ヒューマンエラーのリスクが伴います。また、リアルタイムデータの欠如は、状況の迅速な評価や反応を困難にします。
収集されたデータは、分析や報告のために処理される必要があります。しかし、古いシステムや非統合型システムでは、このプロセスが煩雑で時間を要することがあります。データ形式の不一致や、異なるシステム間の互換性の欠如は、データ処理の複雑さを増加させます。
効果的なデータ分析は、水道業界において重要な意思決定を行うために不可欠です。しかし、非効率なデータ管理システムでは、分析が限定的であったり、時間がかかりすぎることがあります。また、データの質が不十分だと、分析の正確性や信頼性が損なわれます。
水道業界内の異なる部門や機関間での情報共有は、効率的な運用とコラボレーションに必要です。しかし、非効率なデータ管理システムでは、情報共有が遅れることがあり、これが組織間の協力の妨げとなることがあります。
データ管理システムが現代のセキュリティ基準に準拠していない場合、データ漏洩やサイバー攻撃のリスクが高まります。また、顧客の個人情報を含むデータを扱う際には、プライバシー保護が重要な課題です。
以上のように、水道業界は大きな課題を抱えています。これらの課題に対応するためには、業界全体での取り組みや新しい技術の習得、教育体制の見直しなどが求められています。
次の章ではこうした課題を解決するため、水道業界がRPAを導入するメリットについて説明します。
水道業界がRPAを導入するメリット
以前の章では、水道業界の現状の課題について説明しました。ここでは、こうした課題を克服するために、RPAを導入することで得られるメリットについて代表的なものを取り上げます。
思い返してみてください。今まで定型業務に追われていたためにできなかった、もしくはおろそかになってしまった業務はいくつあったでしょうか。
水道業界がさらに発展していくには、人間が本来やるべきこと、人間にしかできない複雑な業務ことにこそ、「人間の時間」を費やすことができる環境を整備すべきです。
例えば、新規顧客を獲得するための活動、法律の解釈と応用、既存顧客の満足度を高めるためのフォロー活動などです。
もしかしたらパートスタッフの方の役割も、作業そのものではなく、RPAがアウトプットしたものを人の目で確認することに重きを置くようになるかもしれません。
これからの水道業界において人間は、より付加価値の高い業務、クリエイティブな業務、顧客や従業員の満足度を高める活動などにこそ、より多くの時間を使えるようにするとよいと考えます。
RPAは一度システムを作ってしまえば24時間働いてくれます。これにより、さまざまな観点でメリットを得ることができます。
1. 非中断の業務運営
最も顕著なメリットの一つは、RPAが24時間365日稼働し続けることができる点です。これにより、水道業界における日々の運営が非中断で行われます。たとえば、顧客からの問い合わせへの自動応答や、定期的なメンテナンス作業のスケジューリングなど、時間に依存する業務がスムーズに運営されます。
2. 効率化とコスト削減
RPAを導入することで、人的資源に頼ることなく、一連の業務を自動化できます。これにより、人手を必要とする時間帯に関わらず、業務が継続され、効率化が図られます。また、長期的には人件費の削済や、人的ミスによるコストも削減できるため、経済的なメリットも大きいです。
3. 緊急時の対応
水道業界は、自然災害や事故などの緊急事態に迅速に対応する必要があります。RPAシステムは、こうした状況下での通知や、必要なデータの迅速な処理を支援します。24時間体制での監視や分析が可能になるため、危機管理においても重要な役割を果たします。
4. データ処理と分析の強化
水道業界では大量のデータが日々生成されます。RPAにより、このデータの収集、整理、分析が自動化され、より精度の高い情報が提供できるようになります。これは、運営の効率化はもちろん、サービスの質の向上にも寄与します。
5. 持続可能な業務モデル
24時間稼働するRPAにより、水道業界は持続可能な業務モデルを構築することが可能です。特に環境変化や人口動態の変化に伴い、需要の変動に柔軟に対応できる体制が整います。
このように、RPAの導入は、水道業界において多方面にわたるメリットをもたらします。特に24時間の非中断業務は、効率化、コスト削減、緊急時の対応力強化、データ処理の最適化、持続可能な業務モデルの構築など、業界全体の強化に寄与します。これにより、より信頼性の高い、効率的な水道サービスが実現されることが期待されています。
あなたの会社でも過去に従業員の退職による補充採用、新人への教育を行ったことがあるかもしれません。
ところがRPAを導入することで、対象業務を担当していた従業員が退職するときなどに、慌てて補充採用をする必要がなくなります。また、新人さんが習得すべき業務範囲が狭まり、さらに一から業務を教え込む必要もなくなります。これにより、教育期間や必要な教材、トレーニングのコストが削減されるとともに、新人が業務に慣れるまでの期間も短縮される可能性があります。
新人さんに業務を教えるのは、たいてい人件費の高い仕事ができる人です。その人の人件費や時間を、退職者が出るごとに繰り返しかけ続けるのはもったいないです。
あなたの会社でも人手不足への対応を採用だけで埋めるのではなく、これからは省人化・自動化を検討してみてはいかがでしょうか。
これらのメリットから、水道業界では多くの企業がRPAの導入を検討しています。次は、RPA導入を検討し始めるタイミングについて説明します。
水道業界がRPA導入を検討し始めるタイミング
ここまで水道業界が抱えている課題、そしてそれを解決するために、RPAを導入することで得られるメリットについて説明しました。こうしたメリットから、水道業界においてRPAは多くの企業に注目されております。
それでは、水道業界がいざRPA導入を検討し始めるきっかけ、タイミングはいったい何なのでしょうか。RPAを導入するタイミングとして実際には以下のような水道業界が多いようです。
【水道業界がRPA導入を検討し始めるタイミングの例】
・クライアントからの問い合わせが増加してきたとき
・業務プロセスが複雑化してきたとき
・リピート業務にかかる時間が問題になってきたとき
・新たな法律や規制に迅速に対応する必要が出てきたとき
・業務の一部をアウトソーシングしているが、コスト削減を図りたいとき
これらはもちろん企業によっても異なりますが、RPA導入を検討し始めるのは、ITに詳しい人材がいないという理由で、人員が増えてきたタイミングであること、または仕事量が増えてきたことが多いです。
さて、ではRPA導入をした後にどのような業務を自動化しているのでしょうか。次の章では事例を出してみていきましょう。
水道業界においてRPAで自動化されている業務の事例
RPA導入を検討したのち、導入をした企業は実際、多くの業務を自動化しております。
それでは、具体的にRPAで自動化されている業務には、どのようなものがあるのでしょうか。
以下はRPAで自動化されている業務の具体的な事例です。
【RPAで自動化されている業務の具体的な事例】
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顧客情報の更新や整理を自動化。
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水道使用量に基づく料金の自動計算。
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自動的に請求書を生成し、顧客へ送付。
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支払いデータの自動入力と処理。
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メーターの読み取りデータをシステムに自動入力。
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顧客の使用パターン分析を自動化。
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故障や漏水の報告を自動で受け付け、対応をスケジュール。
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設備のメンテナンススケジュールの自動作成と追跡。
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設備部品の在庫状況の自動追跡。
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現場作業員への作業命令の自動生成と配信。
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法規制遵守のためのデータチェックと報告を自動化。
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顧客からの問い合わせへの自動返信。
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契約書の作成、更新、管理を自動化。
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水質や圧力などの監視データの自動処理。
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水処理施設のエネルギー消費データの分析と最適化を自動化。
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データに基づくリスク評価の自動化。
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緊急時の対応計画をデータに基づき自動作成。
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定期的な業務レポートの自動生成。
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水質や生態系への影響に関するデータ分析を自動化。
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財務データの分析と予算作成を自動化。
あなたの会社でも同じような業務がある、あるいは取り入れたいという業務はありませんか。ここで、自動化する対象業務を明確化するために、あなたの会社の中で自動化するための対象業務を洗い出す必要があります。
それでは、RPAで自動化するための対象業務の洗い出しのやり方について見ていきましょう。
業務の洗い出しをしよう
前章の「水道業界でRPAで自動化されている業務の事例」では水道業界がRPAで自動化している業務の事例にについて取り上げました。
さて、それではこれらの事例ももとに、自分たちの会社で「自動化できそうな業務の洗い出し」をしていきましょう。
もし「洗い出ししたけどRPAの導入に失敗した」という方もいましたら、ここでもう一度、業務の洗い出し方について確認してみてください。
業務の洗い出しはまずバックオフィス業務を確認して、そしてその中から「定型業務」を見つけていきます。
では、順を追って説明します。
まず、自動化できそうで洗い出したい業務は、バックオフィス業務の中から見つけていきます。
ここでいきなり「バックオフィス業務って何?」という方もいらっしゃると思うので、簡単に説明します。
バックオフィス業務とは、「基本的に顧客とやり取りを交わさず、社内で完結する業務」のことです。つまり、従業員が円滑に業務を遂行できる環境を整えたり、企業活動を健全に行うための仕組みづくりや事務手続きなどが、バックオフィス部門の主な業務です。
バックオフィス業務は、企業活動の根幹である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」という経営資源を管理する役割を担っており、経営と密接に関係しています。
バックオフィスが強化されることで、企業が持つ経営資源を最大限に活用することができ、業務改善や生産性向上の実現、さらにはより精度の高い経営判断にもつなげることができるため、重要です。
ですが、少ない担当者数で膨大な業務量をこなさなければならず業務負担が大きいこと、属人化してしまいやすく、ミスや不正が発生するリスクが高まるなどの課題があります。
そこで、バックオフィス業務をRPAで効率化することで、コスト削減、ヒューマンエラーの防止、生産性を向上させることができます。
水道業界のバックオフィス業務は、顧客管理、料金計算、請求書発行、支払処理などの財務関連業務から、データ入力、記録管理、レポート作成などの行政作業まで多岐にわたります。これには、顧客からの問い合わせ対応、契約管理、在庫管理、メンテナンススケジューリングなども含まれ、業界全体の効率的な運営を支える重要な役割を果たしています。これらの業務は、水道サービスの品質維持、顧客満足度向上、コンプライアンスの確保などに直接影響を与え、業界の安定した運営に不可欠です。
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顧客関連業務
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顧客情報の更新と管理(新規登録、住所変更、口座情報の変更など)
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顧客からの問い合わせへの対応(電話、メール、窓口での応対)
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契約の新規作成、更新、解約処理
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財務・会計業務
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水使用量に基づく料金計算
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定期的な請求書の作成と送付
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顧客からの支払いの処理と記録
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月次、四半期、年次の財務レポートの作成
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在庫・資材管理
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必要な部品や資材の在庫量の監視
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欠品時の追加発注
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資材の受け入れ、在庫の整理と保管
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設備管理・メンテナンス
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設備の定期的なメンテナンス計画の立案と実施
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故障や損傷があった際の修理や交換のスケジューリング
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施設の安全管理と維持
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データ管理・行政作業
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各種データ(顧客、財務、運用など)の入力と整理
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重要書類のアーカイブと保管
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コンプライアンス関連の文書作成と管理
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このように水道業界のバックオフィス業務は、多岐にわたっていることが分かります。
これらが自動化されれば今まで失った多くの時間と人員を削減できると思いませんか。
もちろん、中には人間の目が必要なので、自動化できない個所もあります。
ですが、「RPAを導入するメリット」の章で述べたように、レポート分析など自動化できそうなところはRPAに任せることで、人は人でなければできないことに時間を当てられ、集中することができます。
このように、バックオフィス業務を確認することは重要です。
あなたの会社でも一度、バックオフィス業務の流れについて書き出してみるとよいでしょう。
さて、水道業界のバックオフィス業務の流れについて確認したところで、次にこれらの中から「定型業務」を見つけていきましょう。
ここでも、「そもそも定型業務って何?」という方もいらっしゃると思うので例をあげてみていきましょう。
「定型業務」とは、一定の手順やルールに基づいて繰り返し行われる業務のことを指します。弊社では、 「誰がやっても同じ結果(アウトプット)になる業務」と説明しています。
思い返してみてください。あなたが経験してきた業務のなかで、「ちょっと面倒だな」「ほかの人でもできそうだな」と思った業務はありませんでしたか。
それはほとんどの場合、「定型業務」です。それらは、一定の手順やルールに基づいて繰り返し行われる業務なので誰がやっても同じ結果になるため、RPAで自動化できるのは定型業務であるというわけです。
定型業務は一般的に簡単で単純な作業であることが多いです。
ですが簡単で単純な作業でも、人間が繰り返し行っていると当然ミスも発生します。
なので、自動化できる業務は自動化してしまい、人は人にしかできない別の業務に時間を振り向けて生産性を上げていこうという考えて、多くの水道業界がRPA活用に乗り出しているのです。
それでは、これらも参考にあなたの会社の定型業務を洗い出してみましょう。
その際、弊社の【自動化業務洗い出しシート】を使うと便利です。また以下ボタンの「費用対効果を計算方法」ではこのシートを用いて解説しています
RPA導入後の失敗パターンと対処策
さて、前章では、業務の洗い出しおよび費用対効果の計算例について説明してきました。
ここまで聞くと、「RPAの導入はいいことだらけだ」「費用対効果が良ければ問題なく導入できる」と、そう思いませんでしたか。
ところが、実際多くの企業はRPAを導入した後にさまざまな課題に直面しています。RPAは導入してからが本当のスタートなのです。
ここでは、RPAを導入した後に直面する水道業界の失敗パターン、および対処策について説明します。
「RPAを導入したけど、作業する時間がなくて断念してしまった。」
弊社に相談いただく企業のなかにもこのような理由でRPAの導入に失敗してしまった企業があります。
実はこれは、水道業界においてRPA活用を進める上でほとんどの企業につきまとう課題です。
確かに、水道業界では繁忙時期に作業時間を一時的に確保できないことはあるでしょう。しかし、普段の仕事の中での優先順位が低いと、恒常的にRPAに触れないということになってしまいます。
特に何かと忙しく、余剰人員もほとんどいない中小企業にとっては、暇な時間ができたら触ろうとしても、暇な時間はほとんどありません。
弊社ユーザーの担当者には、「いつ作業するか」を決めて、その時間は極力ほかのことはやらないようにしている人もいます。
そのためには組織的な理解と協力も必要ですので、できれば経営陣からその理解を促進していただきたいと思います。
水道業界の現場では、RPA活用に関して「任せられる人がいない」といったこともよく見受けられます。それは、多くの水道業界にとって、RPAやデジタル技術への移行は大きな文化的変化を必要とし、従来の方法とプロセスに慣れ親しんでいる従業員は、新技術への抵抗感を示すことがあるためです。技術の導入に伴う仕事の変化や、場合によっては職を失うかもしれないという不安が、組織内の抵抗を生む原因となることがあります。
もしRPAの担当者が決まっても、うまくいかない状況が続くと、担当者は「うまくいかない自分が悪い」と思ってしまい、RPAから気持ちが離れてしまいます。そしてほかの仕事を優先しシナリオ作成作業に時間を使わず、サポート企業に相談することもなく、新規プロジェクトが頓挫してしまうのです。
RPAは組織的に取り組む方が中長期的に成功しやすく、モチベーションを維持してくれる仲間の存在も励みになるので、
「困ったときに相談できる、助けてくれる人がすぐ近くにいる」
という状況をつくってあげることが大切です。水道業界ごとに、専任のサポートチームや外部のコンサルタントと連携をとることで、RPAのノウハウを共有し、適切なサポートを受ける体制を整えることが重要です。
「どうせRPAを導入するなら、ツール選定に失敗して導入後にツールごと入れ替えるということはなるべく避けたい」と、多くの方が思われていることと思います。
ですが、残念ながら自社業務に合わないRPAツールを選定してしまうというケースもよくあります。
水道業界がRPAツールを入れ替えた理由は以下の2つが大半を占めます。
「自社の自動化したい業務に対応できないツールだった」
「サポートが十分ではなかった」
そもそもシステム同士の相性が悪かったり、機能が不足していたりすると、どれだけ頑張っても自動化できないことがあります。
そこで、ツール選定に失敗して費用と労力の無駄を避けるためにも、
「機能の充実」「使いやすさ」「サポート内容」
この3つの観点で選ぶことが重要です。
特に「機能」に関しては、オンプレミスの基幹システム、Excel、クラウドツールなどに幅広く対応できるツールがどうかも確認しましょう。
「具体的にどのような基準で確認すればよいかわからない」という方は以下の【ツール選定の小冊子(チェックリスト付き)】を参考にしてみて下さい。RPA販売業者に質問する際に活用いだだけるとよいかと思います。
また、クライアントのRPAエラーについてなどの要望を1つ1つすべて聞くのは時間制約もある中でとても大変です。ですがそのようなケースでも、弊社が責任持ってRPA運用をサポートいたしますので、もし少しでも不安を抱えているのであればぜひ弊社にお任せください。すでにRPA導入している方、これからRPA導入を検討している方、どなたでもご連絡お待ちしております。
弊社は多くの水道業界さまのサポートをさせていただいております。以下のボタンから弊社の取り組み、また他社との違いについて紹介していますので、ぜひご覧ください。