top of page

【決定版】製造業のRPA活用│導入事例と成功のポイント

最近、 「RPA」は製造業において業務効率化や人手不足への対処として導入が増えています。そして、これからますます活用が期待されています。

 

RPAについてすでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが念のためお伝えすると、RPAとはRobotic Process Automationの略であり、パソコンの定型業務を自動化するソフトウェアのことです。

 

これを今お読みのみなさまの中には、これからRPAを導入したいと思っているかもしくは既にRPAを導入したという方もいらっしゃるかと思います。

 

ですが、そんなあなたは次のようなお悩みお持ちではないでしょうか。

弊社にもこのような相談を多数いただきます。実をいうと、弊社の顧客企業様には様々な業種がありますが、製造業が一番多いのです。

 

そこで今回は、製造業でRPAの運用サポート実績多数の弊社が

製造業でRPAを導入するメリットから導入事例、RPA導入に伴う失敗やトラブルの対処法までわかりやすく紹介します!

目次
タイトル背景.png

製造業が抱える課題

現在、製造業の現場では、市場の変化や労働人口の減少、グローバル競争の激化といった背景により、さまざまな課題に直面しています。

製造業の主な課題としては、次のようなものが挙げられます。

人手不足

製造業にとって、現在最も深刻な課題の一つが人手不足です。これは製造業界全体の競争力を低下させ、さらには企業の成長と生存さえも脅かす可能性があります。

 

製造業は技術革新が急速に進行している一方で、新たな技術を使いこなすスキルを持つ人材が不足しています。また、製造業は体力的にも精神的にも厳しい作業が多いため、新たな労働力を確保するのが難しくなっています。

 

人手不足が慢性化すれば、製造現場の運営は困難になり、品質の低下や納期遅延、アフターサービスの不足など、企業の競争力に大きなダメージを与える可能性があります。

 

さらに、人手不足は、組織全体の健康を危険にさらすことがあると言われています。長時間労働や過重労働は作業者の健康を害し、安全な作業環境を保つことが難しくなる可能性があります。

製品の品質と信頼性

 製造業では、原材料の品質、製造機械の精度、従業員のスキルレベルなどの要因により、製品の品質を一貫して維持することが難しいという課題があります。

 

生産効率を追求すると製品の品質が低下する可能性がある一方で、品質を追求しすぎると生産効率が低下し、結果的には製品価格の上昇につながる可能性があります。効率と品質のバランスを取ることは、製造業にとって重要な課題です。

 

QC(品質管理)を一貫して行うためには、高度な技術や資材の確保だけでなく、綿密な生産プロセス管理が必要です。また、製品の不具合が発生した場合のリコールや修理などのアフターサービスも重要な課題です。

 

製品の品質はは企業に大きな費用を強いるだけでなく、顧客満足度、ブランドイメージ、そして企業の信頼性に直接影響を及ぼします。

タイトル背景.png

製造業がRPAを導入するメリット

ヒューマンエラーがなくなる

製造業は、緻密さと精度が求められる業界です。多くの作業は複雑であり、時には微細な差異が結果に大きな影響を与えます。そのような状況下で、人間が一貫した高品質な成果物を提供するのは難しく、疲労や気の緩みからくるミスが避けられないのが現実です。

 

しかし、RPAの導入により、これらの課題は大幅に軽減されます。RPAは一貫性を持つタスクを自動的に実行することができるため、ヒューマンエラーの影響を最小限に抑えることで、製品の品質と生産効率、さらには信頼性が大幅に向上します。

 

さらに、ヒューマンエラーが減少することで、再作業やトラブルシューティングに要する時間とコストを大幅に削減することができます。これにより、企業はより重要な戦略的な業務にリソースを集中させることが可能になります。

24時間t尽くしてくれる

「製造業の課題」で述べたように、製造業では現在深刻な人手不足の問題に直面しています。

 

あなたの会社でも、人に関する問題をたくさん抱えていませんか。退職を申し出てくる新人、特に製造業では毎日毎日残業する人も多いと思います。また、忙しくてなかなか新しいことに着手できないこともあるかと思います。このような日々とはおさらばしたいですよね

 

RPAはコンピューターなので、突然、退職を申し出てくることも、さぼったり、陰で文句を言ったり、疲れることも、休暇を取ることもありません。一晩中働かせても残業代も時間外手当もかかりません。社会保険料もかかりません。

一度動かしてしまえば、24時間365日働いてくれます。もう交代勤怠する必要はありませんね。

 

製造業の労働基準の順守が厳しくなっている中で、このような労働力が手に入るというのは大きなアドバンテージではないでしょうか。

補充採用コストと教育コスト

これも製造業の人手不足に対する対処として取り上げます。

 

あなたの会社でも過去に従業員の退職による補充採用、新人への教育を行ったことがあるかもしれません。

 

ところがRPAを導入することで、対象業務を担当していた従業員が退職するときなどに、慌てて補充採用をする必要がなくなります。また、新人さんに一から業務を教え込む必要もなくなります。

 

新人さんに業務を教えるのは、たいてい人件費の高い仕事ができる人、製造業だと生産部門のマネジャーなどです。その人の人件費や時間を、退職者が出るごとに繰り返しかけ続けるのはもったいないです。

 

あなたの会社でも人手不足への対応を採用だけで埋めるのではなく、これからは省人化・自動化を検討してみてはいかがでしょうか。

h人でなければできないことに集中できる

思い返してみてください。今まで定型業務に追われていたためにできなかった、もしくはおろそかになってしまった業務はいくつあったでしょうか。

 

きっと、数えきれないほどあったに違いありません。

 

製造業のみなさんがさらに発展していくには、人間が本来やるべきこと、人間にしかできない複雑な業務ことにこそ、「人間の時間」を費やすことができる環境を整備すべきです。

 

例えば、新規顧客を獲得するための活動、既存顧客の満足度を高めるためのフォロー活動、部下を教育・マネジメントする活動、従業員同士の建設的なコミュニケーション、新商品開発や新規事業の立ち上げなどです。

 

もしかしたらパートスタッフの方の役割も、作業そのものではなく、RPAがアウトプットしたものを人の目で確認することに重きを置くようになるかもしれません。

 

これからの製造業界において人間は、より付加価値の高い業務、クリエイティブな業務、顧客や従業員の満足度を高める活動などにこそ、より多くの時間を使えるようにするとよいと考えます。

タイトル背景.png

製造業がRPAを導入したときに抱える課題

さて、ここまで製造業が抱えている課題、そしてそれを解決するために、RPAを導入することで得られるメリットについて説明しました。

 

ここまで聞くと、「RPAの導入はいいことだらけだ」と、そうは思いませんでしたか。

 

ところが、実際多くの企業はRPAを導入した後にさまざまな課題に直面しています。RPAは導入してからが本当のスタートなのです。

 

ここでは、RPAを導入するときに直面する製造業の主な課題、および対処策について説明します。

目的が明確でない

あなたの会社に次のような不安をもっている方はいませんか?

 

「RPAの導入により今後、私たちの仕事が奪われるのでは?」

「RPAはうちの会社で本当に使えるのか?」

 

このような不安や反発の気持ちに会社の雰囲気が包み込まれると、組織を巻き込めません。変化の方向性やビジョンが見えないと、製造業の現場は混乱するばかりです。

 

生産計画では、何をつくるのかという目的は明確に決まっていますよね。

それと同じで、製造業において組織的にITツールを有効活用するには、「目的」の伝達が成否を分けるといっても過言ではありません。

 

なので「自社がどうなっていきたいのか、何のためにRPAを活用したいのか」を確認しましょう。

 

例えば、

 

・「残業を減らして働きやすい職場づくりを推進していきたい」

 

・「受注が増えても人員を大きく増やさずに対応できるようにして一人当たりの還元を増やしたい」

 

・「生産性を上げてこの地域の平均年収を上回りたい」

 

・「空いた時間を使ってもっとクライアントとのコミュニケーションと提案機会を増やしたい」

 

・「新しいことを学んでスキルアップできる時間を増やしたい」

 

などです。

コストが高く

あなたの会社がRPAをすでに導入しているのであれば、RPAを導入する際にコストについて検討されたと思います。

 

RPAは一般的に、ツールの月額利用料とサポート料のほかに、シナリオ作成を委託する場合は一時的な作成費用もかかります。

 

弊社ユーザー製造業の中には、月額費用が高いという理由でRPAツールとサポート企業を入れ替えたところも少なくありません。

 

彼らはみな「いいツールだったし、サポートもきちんとしてくれるけど、なにせコストが高かった」と言っていました。

 

せっかくRPAを導入したのに「導入効果は見込めない」、また導入後に「自社では思ってたより自動化できそうな業務はなかった」となっては、コストや労力が無駄になってしまいます。

 

このようなことにならないために、どうすればよいでしょうか。

 

そのためには、費用対効果を導入前にある程度見込んでおくことが重要です。具体的な費用対効果の計算方法については後ほど解説します。

 

ここで注意していただきたいのは、RPAツールは安ければ良いというものでもないですし、高いから良いものということでもありません。無理なく長く付き合えて、自社に合うRPAツールを選定するのがポイントになってきます。

優先順位を

「RPAを導入したけど、作業する時間がなくて断念してしまった。」

 

弊社に相談いただく企業の中にも、このような理由でRPAの導入に失敗してしまった企業があります。

 

実はこれは、製造業においてRPA活用を進める上でほとんどの企業につきまとう課題です。

 

確かに、製造業では繁忙時期に作業時間を一時的に確保できないことはあるでしょう。しかし、普段の仕事の中での優先順位が低いと、恒常的にRPAに触れないということになってしまいます。

 

特に何かと忙しく、余剰人員もほとんどいない中小企業にとっては、暇な時間ができたら触ろうとしても、暇な時間はほとんどありません。

 

弊社ユーザー製造業の担当者には、

 

「毎週火曜日は必ず作業する」

「毎日15時から17時は必ず作業する」

 

などと「いつ作業するか」を決めて、その時間は極力ほかのことはやらないようにしている人もいます。

 

そのためには組織的な理解と協力も必要ですので、できれば経営陣からその理解を促進していただきたいと思います。

組織的に取り組めていない

製造業の現場では、RPA活用に関して「体制づくりで1人の担当者任せになってしまった」といったこともよく見受けられます。

 

うまくいかない状況が続くと、担当者は「うまくいかない自分が悪い」と思ってしまい、RPAから気持ちが離れてしまいます。そしてほかの仕事を優先しシナリオ作成作業に時間を使わず、サポート企業に相談することもなく、新規プロジェクトが頓挫してしまうのです。

 

RPAは組織的に取り組む方が中長期的に成功しやすく、モチベーションを維持してくれる仲間の存在も励みになるので、

 

「困ったときに相談できる、助けてくれる人がすぐ近くにいる」

 

という状況をつくってあげることが大切です。

自社業務を自動化できないツールを

「どうせRPAを導入するなら、ツール選定に失敗して導入後にツールごと入れ替えるということはなるべく避けたい」と、多くの方が思われていることと思います。

 

ですが、残念ながら自社業務に合わないツールであるケースもよくあり、はじめに導入したRPAツールを入れ替えることはよくあります。

 

製造業の企業がRPAツールを入れ替えた理由は以下の2つが大半を占めます。

 

「自社の自動化したい業務に対応できないツールだった」

「サポートが十分ではなかった」

 

というのも、そもそもシステム同士の相性が悪かったり、機能が不足していたりすると、どれだけ頑張っても自動化できないことがあります。特に製造業界では生産管理システムを用いるので、このようなことがよく見受けられます。

 

そこで、ツール選定に失敗して費用と労力の無駄を避けるためにも、

 

「機能の充実」「使いやすさ」「サポート内容」

 

この3つの観点で選ぶことが重要です。

 

特に「機能」に関しては、オンプレミスの基幹システム、Excel、クラウドツールなどに幅広く対応できるツールがどうかも確認しましょう。また、Javaで作られたシステムをお使いの企業は、Javaを苦手とするRPAも多いので特に注意が必要です。

 

ここで、「具体的にどのような基準で確認すればよいかわからない」と思った方は以下の【ツール選定の小冊子(チェックリスト付き) 】を参考にしてみて下さい。RPA販売業者に質問する際に活用いだだけるとよいかと思います。

とはいっても、すでにRPAを導入している企業にとってツールの入れ替えは、とても勇気がいるものです。簡単にできることではないかと思います。

 

ですが、中には思い切ってツールを変えたことで大幅に効果を上げた企業もあります。

 

そこで、インタビューしてきましたので、内容を一部ご紹介します。

事例1
ヤスヒラ.png
機械工具商社の株式会社ヤスヒラは、主に工場向けに生産財を卸したり、FA装置の設計・製作、工作機械、機械加工などを行っています。
ヤスヒラ 社長.png
RPAツールを変えた背景

以前使っていたRPAツールのメーカーのサポート要員に聞いても、正直マニュアル通りの説明しかありませんでした。結局、うまくいかない原因が分からなかったので解決できなかったのです。


「RPA運用サポート.com」に紹介してもらったRPAツールは、機能がとても設定しやすかったです。自社の業務システムとの相性もものすごく良かったです。

 

一番大きいのは、うまくいかず原因が分からないときに、メーカーも交えて一緒に解決策を探してくれたり、要望を取り入れてツール自体を改良してくれたことです。大手のRPAメーカーではそうはいかないと思うので、私たちのような中小企業にとってはとてもありがたかったです。

主に、主要な取引先からの受注情報の処理や、新規見積依頼への対応に使用しています。

導入して約1年半で、合計すると月350時間は削減できました。

​自動化した業務内容
タイトル背景.png

業務の洗い出しをしよう

前章の「製造業がRPAを導入したとき抱える課題、対処策」では5つの課題について取り上げました。

 

あなたの会社でもこのような課題がいくつか当てはまったのではないでしょうか。

もしあてはまらなかったということであれば、きちんとRPA活用できているのかと思います。

 

さて、なぜ多くの企業がこれらの問題に直面してしまうのでしょうか。

 

私は、これらの課題に直面するのは、RPA導入前にとある作業を行っていない、もしくは軽視しているためだと考えています。

 

このような話をすると、ほとんどの方は「ツール選びを間違えたからでは?」と答えるはずです。

 

RPAツールの選定をしないためにも、あるいは導入後に計画的に進められるようにするためにも、事前にやってみていただきたいことがあります。それは、

 

「自動化できそうな業務の洗い出しをすること」です。

 

「洗い出ししたけどRPAの導入に失敗した」という声も聞こえてきそうですが、そのような方もここでもう一度、業務の洗い出し方について確認してみてください。実は、自動化できそうな業務の洗い出しにはコツがあるのです。

 

それは、まずバックオフィス業務を確認して、そしてその中から「定型業務」を見つけていくことです。

 

では、順を追って説明します。

製造業のバックオフィス業務

まず、自動化できそうで洗い出したい業務は、バックオフィス業務の中から見つけていきます。

 

ここでいきなり「バックオフィス業務って何?」という方もいらっしゃると思うので、簡単に説明します。

 

バックオフィス業務とは、「基本的に顧客とやり取りを交わさず、社内で完結する業務」のことです。つまり、従業員が円滑に業務を遂行できる環境を整えたり、企業活動を健全に行うための仕組みづくりや事務手続きなどが、バックオフィス部門の主な業務です。

 

例えば、次のような業務がバックオフィス業務に当たります。

財務と会計

会社の収益、経費、利益の管理、財務報告の作成、予算の管理、請求、債務管理、受注管理、請求管理など

人事

従業員の採用、教育訓練、給与計算、福利厚生の管理、労働条件の調整、パフォーマンスの評価など

IT

ITインフラの運用・保守、ソフトウェアとハードウェアの更新と管理、ヘルプデスクサポート、データ管理、新技術の導入など

法務
 

契約の管理、法的リスクの評価、企業政策の作成と適用、法律上の問題の対応など

総務
 

 事務所や製造設備などの維持・管理、備品管理、各種書類の作成・管理、安全対策、環境対策など

様々な内部プロジェクトの計画、実行、監視など

プロジェクト計画
 

バックオフィス業務は、企業活動の根幹である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」という経営資源を管理する役割を担っており、経営と密接に関係しています。

 

バックオフィスが強化されることで、企業が持つ経営資源を最大限に活用することができ、業務改善や生産性向上の実現、さらにはより精度の高い経営判断にもつなげることができるため、重要です。

 

ですが、少ない担当者数で膨大な業務量をこなさなければならず業務負担が大きいこと、属人化してしまいやすく、ミスや不正が発生するリスクが高まるなどの課題があります。

 

そこで、バックオフィス業務をRPAで効率化することで、コスト削減、ヒューマンエラーの防止、生産性を向上させることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ここまでバックオフィス業務について理解していただいたところで、

製造業のバックオフィスの流れについて簡単に見ていきましょう。

 

製造業のバックオフィス業務は、製造プロセスのサポートと統括を担当する重要な役割です。

 

上記の一般的なバックオフィス業務に加え、以下の業務があげられます。

バックオフィス業務.png
生産計画の作成
 

需要予測や在庫状況を考慮して、製品の生産計画を立て、生産数量やスケジュール、必要な資材や人員などを決定します

材料・部品の調達
 

生産に必要な材料や部品を調達します。仕入先との連絡や発注手続きを行い、必要な材料が工場に届くようにします。

製品の組み立て
 

受け取った材料や部品を工場の生産ラインで組み立てて製品を作ります。組み立て手順に従い、各工程を進めていきます。

品質検査
 

製品が品質基準を満たしているかどうかを検査します。一定の基準や手順に基づいて製品を検査し、不良品を特定します。

在庫管理
 

製品や材料の在庫管理を行います。入出庫の記録を更新し、在庫数の監視や必要な場合の補充手配を行います。

梱包と出荷・納品書の送付

品質検査を通過した製品を適切に梱包し、出荷の準備をします。梱包手順に従い、出荷書類を作成し、運送会社との手配を行います。

メンテナンスと点検
 

製造ラインや機械の定期的なメンテナンスや点検作業を行います。メンテナンススケジュールに基づいて機械を点検し、必要な修理や予防保全を実施します。

レポート作成とデータ分析
 

レポート作成とデータ分析: 日々の生産データを収集し、レポートを作成します。生産性や品質指標、効率性などの分析を行い、改善点を把握します。

このように製造業のバックオフィス業務は、一般的なバックオフィス業務に比べ、多岐にわたっていることが分かります。

仮にこれらの20~30%でも自動化できれば、生産性が大きく向上すると思います。

 

 

もちろん、メンテナンスや点検などは人間の目が必要なので、自動化できない個所もあります。

ですが、「RPAを導入するメリット」の章で述べたように、在庫管理やレポート分析など自動化できそうなところはRPAに任せることで、人は人でなければできないことに時間を当てられ、集中することができます。

 

このように、バックオフィス業務を確認することは重要です。

あなたの会社でも一度、バックオフィス業務の流れについて書き出してみるとよいでしょう。

定型業務を見つけよう

さて、製造業のバックオフィス業務の流れについて確認したところで、次にこれらの中から「定型業務」を見つけていきましょう。

 

ここでも、「そもそも定型業務って何?」という方もいらっしゃると思うので例をあげてみていきましょう。

 

「定型業務」とは、一定の手順やルールに基づいて繰り返し行われる業務のことを指します。弊社では、 「誰がやっても同じ結果(アウトプット)になる業務」と説明しています。

 

思い返してみてください。あなたが経験してきた業務のなかで、「ちょっと面倒だな」「ほかの人でもできそうだな」と思った業務はありませんでしたか。

 

それはほとんどの場合、「定型業務」です。それらは、一定の手順やルールに基づいて繰り返し行われる業務なので誰がやっても同じ結果になるため、RPAで自動化できるのは定型業務であるというわけです。

 

定型業務は一般的に簡単で単純な作業であることが多いです。

ですが簡単で単純な作業でも、人間が繰り返し行っていると当然ミスも発生します。

 

なので、自動化できる業務は自動化してしまい、人は人にしかできない別の業務に時間を振り向けて生産性を上げていこうという考えて、多くの製造業がRPA活用に乗り出しているのです。

以下、弊社ユーザーの製造業の企業で自動化した「定型業務」の具体例を紹介します。

 

【定型業務の具体的な事例

・単月営業成績集計

・単月得意先上位ランキング作成

・休日出勤者情報を上長に通知

・受注情報有無のチェック

・受注情報の基幹システム入力

・受注案件のファイルを保存・印刷

・調達部品の仕様書ダウンロード

・生産計画の作成と更新

・製品の組み立てラインの監視と制御

・製品の品質検査と不良品の分類

・在庫管理と補充の自動化

・輸送や物流のルートの最適化と自動化

・機械メンテナンススケジュールの作成と実行

・製品のラベリングや梱包の自動化

・製品の出荷手続きと納品書の作成

・製品の返品処理と顧客への返金手続き

・製品の保証書やマニュアルの生成と送付

 

 

このように、製造業において生産計画の作成から返品処理まで、RPAを活用して多くの定型業務を自動化していることが分かりますね。

 

それでは、これらも参考にあなたの会社の定型業務を洗い出してみましょう。

 

その際、弊社の【自動化業務洗い出しシート】を使うと便利です。次の「費用対効果を計算してみよう」ではこのシートを用いて解説していきます。

タイトル背景.png

​費用対効果を計算しよう

業務を洗い出せたら

前章では、業務の洗い出しについて説明してきました。

 

【自動化業務洗い出しシート】を活用された方、そうでない方も自動化できそうな業務を洗い出せたことかと思います。

 

とはいっても、「洗い出せたので、さっそく自動化しよう」としてはいけません。というのも、もともと月1時間しかかからない業務を自動化してもあまり恩恵は得られないですからね。

 

なので、洗い出した業務を自動化することでどれくらいの時間を削減できるのかを数値化して確認することが大切です。これは、費用対効果を計算することにつながります。

 

なのでここからは、洗い出した業務の費用対効果を算出する方法について確認していきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

業務の洗い出しをすることで、今までどの作業にどのくらいの時間をかけていたのか、そしてRPAを導入するとどのくらいの時間を削減できるのかが明確になり、人件費をどのくらい削減できるのかを把握することができます。

 

これにより、RPAを導入するべきか否か、導入している企業であれば次にどの業務を自動化するべきかを確認することができます。

 

どのくらい人件費を削減できるのかを確認することができるということはつまり、費用対効果を知ることができるということです。

 

それでは、洗い出した業務について自動化した時の費用対効果を計算してみましょう。

 

費用対効果の計算方法について、前章の最後で取り上げた【自動化業務洗い出しシート】を用いて、具体的な例をあげて説明します。

費用対効果.png
費用対効果の計算例

最初に、RPAの費用対効果とは、RPAの費用対効果=削減効果+空いた時間で生み出した付加価値です。まずは、削減効果についてみていきましょう。

洗い出し.png

自動化業務洗い出しシートの作成例

例えば、A社では得意先からのメールチェックに毎日1時間、在庫精査に毎日3時間、機械のメンテナンスに週1回4時間、営業成績集計に月2回2時間をかけているとします。

 

これらを月に換算するとそれぞれ以下の計算になります

 

 

  メールチェック:1時間×22日=22時間

     在庫精査:3時間×22日=66時間

機械のメンテナンス:4時間×4日=16時間

   営業成績集計:2時間×2日=4時間

 

 

つまり、合計で月間108時間削減できたことになります。

 

もし、これらの作業に時給1500円換算の人件費がかかっているとすると、費用対効果は以下のように計算できます

 

1500円×108時間=162,000円

 

つまり、月間で約16万円削減できたことになります。

 

ここで内訳をみてみると、日々の業務であるメールチェックと在庫精査だけで 約13万円削減できていることがわかりますね。

 

このように、毎日20分、30分、90分と時間がかかっている業務の削減効果による積み重ねは大きいです。

 

また、毎日行っている業務を自動化できれば、一度作成したシナリオを高い頻度で使いまわせるため、開発効率も高くなります。例えば、空いた時間で生み出した付加価値を月間14万円とすると、費用対効果は削減効果+空いた時間で生み出した付加価値ですから、月間で30万円となりますね。

 

最後に、毎日行っているデータ集計や書類作成などを自動化した製造業の事例をご紹介します。

事例2
artロゴ1.jpg
アート電子株式会社は、主にプリント基板の設計及び開発を行う製造業の会社です。インタビューした内容の一部を紹介します。
自動化した定型業務

RPAを用いて、日々の売上進捗の集計を自動化しています。これは、弊社独自の業務システムから数値を取得して、クラウドのグループウェアに入力する業務です。

 

また、弊社に対して資料請求やお問い合わせをしてくださった方々の情報を一元化する業務も自動化しています。

「RPA運用サポート.com」さんはレスポンスが早いです。弊社の業務を理解して提案してくれたり、シナリオ作成してくれたり、エラーで停まってしまったときにはリモートで対処してくれています。

 

運用して数ヶ月はエラーがよく発生していた時期もありましたが、RPA用に使用していたパソコンが不安定だったことが原因でした。そこでパソコンを入れ替えることを提案いただきました。

 

また、入れ替え後のメンテナンスもしてくれました。おかげで、それからはほぼエラーがなく動いています。

弊社を選んだ背景
タイトル背景.png

弊社のサポートの取り組み、他社との違い

兎澤さん.png

弊社は設立以来、主に中小企業様のRPAの導入支援・運用サポート・シナリオ開発支援を行ってまいりました。

 

RPA運用サポートに専門特化しているからこそ、豊富な事例や知見、ノウハウを元に、スピーディーなリモートサポートが可能です。

より多くの企業様に、RPA運用で失敗や挫折をせず、生産性向上を実現し、さらに今後到来する本格的なDX時代の波に乗ることで、より強い日本企業へと昇華いただく支援がしたいとの想いから「RPA運用サポート.com」を運営しております

株式会社ドットコネクト

代表取締役 兎澤 直樹

RPA運用サポート.com

3つの強み

1.

RPAに専門特化した「個別対応型」のサポート

弊社は、「RPAの運用サポート」に専門特化している、日本で数少ない会社です。

 

​製造業へRPAを販売サポートしている企業の多くは専業が他にあり、RPAはひとつの販売商品に過ぎないケースがほとんどです。そのため、サポート力(業務理解力、技術力、エラー解決力、対応実績など)が不十分で、自動化を実現できず、弊社に相談いただき、対応した事例も数多くあります。

 

RPAは、導入すればすぐに自動化を実現できるツールではなく、きちんと再現できるように覚えさせる必要があります。ここでつまずいてしまう企業様が多いのです。

 

一方、弊社は専門特化しているため、「個別対応」で手厚いサポートが可能です。

 

RPAに専門特化し、知見や技術、エラー解決力などが豊富な存在が、御社のRPA推進チームに加わることで、製造業における自動化の実現性と運用効果を高めます。

2.

 費用対効果の高いツールと運用サポートの提供

様々なRPAツールの中から、機能が豊富で使いやすく、費用対効果が高いRPAツールを推奨しております。サポート内容も、ユーザー企業様にとって不足している、補いたいリソース内容に応じてプランをお選びいただけるため、無駄なコストが発生しづらく、専門特化しているからこその低コストでのサポートを実現しています。

月々たったの15,000円

プラン.png

3.

経営目線・現場目線での実践的なサポート

今までに「IT業者ってなかなか話がうまく通じない」と思ったことはありませんか?

 

こちらが伝えたいことをうまく察知してくれなかったり、説明も専門用語が多かったり、こちらが実現したい「目的」よりも、すぐに技術やツールといった「手段」の話になってしまったり・・・。

 

弊社は多くの場合、経営コンサルティング経験も豊富で、かつ、非エンジニアがRPAを習得した上でサポートを行っています。

 

そのため、経営目線でのコミュニケーションと、非エンジニアだからこその分かりやすい言葉選びや伝え方で、製造業の現場の皆様にも安心していただける運用サポートが可能です

弊社では、「MICHIRU RPA」を活用した「個別対応型のサポート」を行っています。

「MICHIRU RPA」と弊社のサポート、サービス案内について詳しく知りたいという方は、お気軽にお問い合わせください。

また、詳細なRPAツールの選定ポイントや活用事例、自動化対象業務の洗い出し方法など、RPAの実践ノウハウをまとめた、弊社の代表が執筆した書籍もございます。

ご一読いただければ、どのように組織としてRPA運用を成功に導けるか、きっと多くのヒントが得られることでしょう。

B0B24D2GFR.01._SCLZZZZZZZ_SX500_.jpg

本体価格:1,600円(税込価格:1,760円) 

発売日:2022年5月26日

出版社:日経BP

​目次へ
bottom of page