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​【決定版】建設業界のRPA本格活用|事例に学ぶ
失敗しやすい点と成功のポイント

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最近、 「RPA」は建設業界において業務効率化やデジタル化の進展への対処として導入が増えています。そして、これからますます活用が期待されています。

 

RPAについてすでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが念のためお伝えすると、RPAとはRobotic Process Automationの略であり、パソコンの定型業務を自動化するソフトウェアのことです。

 

ですが、そんなあなたは次のようなお悩みお持ちではないでしょうか。

・建設業界でRPAを導入したが失敗してしまった

・建設業界でRPAを使うと何ができるのか

・建設業界でRPAの導入を検討しているがどうすればよいかわからない

弊社では、多くの建設事務所さんからRPA活用に関する相談をいただきます。

 

そのような経験からこの記事では、建設業界でRPAの運用サポート実績多数の弊社が、建設業界でRPAを導入するメリットから導入事例、RPA導入に伴う失敗やトラブルの対処法までわかりやすく紹介します。

目次
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建設業界が抱える課題

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現在、建設業界は、プロジェクト管理、建築基準法や労働安全法などの専門的知識を要する業界として活動しています。しかし、建設業界も多くの課題を抱えており、特に労働力不足と安全管理の課題があげられます。

労働力不足

建設業界は、その発展を支える労働力の不足に直面しています。この問題は、高齢化による経験豊富な労働者の市場からの引退と、新しい若年層の労働者が業界に流入しないという二重の圧力により引き起こされています。労働者の不足は、建設プロジェクトの遅れや予算超過といった直接的な経済的影響をもたらすだけでなく、品質と安全性の確保という点で深刻な懸念を引き起こします。

高齢化が進むにつれ、建設業界の豊かな経験と知識を持つ職人や専門家が定年退職を迎えています。彼らが持つ専門スキルや熟練技術は、長年の現場経験から培われるものであり、容易に置き換えが効くものではありません。これら熟練労働者の欠如は、プロジェクトの効率と成果に直結するため、その影響は計り知れません。また、彼らの引退は業界の知識とスキルの大量流出を意味し、若い世代への技術の伝承にも支障をきたしています。

一方で、若年労働者の建設業界への流入減少も深刻な問題です。建設業界は、しばしば厳しい労働条件や危険な作業環境、また不安定な雇用といったイメージが付きまとうため、新しい世代の労働者を惹きつけることが難しくなっています。特に、デジタルスキルを重視する若者にとって、伝統的な建設業の仕事は魅力に欠けると感じられることが多いのです。

現場作業員の不足は、プロジェクトのスケジュール遵守に直接的な影響を与えます。労働者が十分でない場合、作業は遅れがちになり、それが連鎖的にプロジェクト全体の遅延を引き起こす可能性があります。この遅延は、契約上のペナルティーや信頼性の低下、さらには将来の受注機会の喪失につながることさえあります。さらに、建設コストの増加は、労働力の確保のためにより高い賃金を支払う必要があることや、遅延による追加費用の発生に起因します。

また、技術的な専門知識を持つ人材の減少は、プロジェクトの品質に重大な影響を及ぼします。新しい建築標準や環境規制への適応、高度な技術を必要とする新しい建築材料や方法の採用など、専門知識が必要とされる場面は多岐にわたります。このような知識が不足すると、建築物の安全性が損なわれ、最悪の場合、建築物の倒壊や重大な事故を引き起こす原因にもなり得ます。

安全管理の課題

建設現場は、日々の業務において数多くの危険にさらされる場所です。重機の運用、高所での作業、電気工事、そして構造物の組み立てといった作業は、極めて高いリスクを伴います。そのため、建設業界では安全管理が非常に重要な課題とされており、事故や怪我のリスクを最小限に抑えるための厳格な対策が不可欠です。安全対策としては、適切な保護具の使用、安全に関する標識の設置、定期的なリスク評価といった予防策が挙げられます。また、作業員が安全な作業態勢を維持できるよう、継続的な教育とトレーニングが必要とされています。

しかしながら、現実には多くの建設現場で、コスト削減の圧力や納期の遵守といったビジネスの側面が安全管理を犠牲にする原因となっています。予算の制約により、十分な安全設備の購入や適切な教育プログラムへの投資が後回しにされるケースもあります。また、プロジェクトのスケジュール遅延は、労働者に過度な時間外労働を強いることで彼らの疲労を増大させ、結果として安全管理の妥協を招くことがあります。

安全管理が疎かにされると、その結果は壊滅的です。怪我や事故は人的な悲劇をもたらすだけでなく、プロジェクトの遅延、訴訟費用、保険料の上昇、そして企業の評判への打撃といった経済的な損失を引き起こします。特に、重大な事故が発生した場合には、その影響は建設企業の将来に長期にわたって影を落とすこともあり得ます。

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デジタル化の遅れ

デジタル化は、情報流通の効率化、コスト削減、品質向上などを促進する可能性を持ちながら、建設業界ではその導入が他業界に比べて著しく遅れています。

まず、建設業界におけるデジタル化の遅れの背景には、伝統的な手法への依存があります。長年にわたり蓄積されたノウハウや経験則が重んじられ、それらをデジタル技術に置き換えることへの抵抗感が根強く存在しています。加えて、多くの建設プロジェクトはユニークな側面を持ち、標準化されたプロセスが適用しにくいという特性があります。このため、デジタルツールやシステムを導入しても、既存のプロセスに適合させるためのカスタマイズが必要となり、これが導入のハードルを高めています。

また、建設業界のプロジェクトは地理的な制約が大きく、現場ごとに異なる環境や条件に対応する必要があるため、情報システムの導入が困難です。特にリモート地域でのプロジェクトでは、通信インフラが不十分であることがデジタルツールの活用を妨げる大きな要因となっています。

さらに、建設業界におけるデジタル化の遅れは、新しい技術やイノベーションを受け入れる企業文化の欠如にも関連しています。新しい技術に対する知識や理解が不足しており、投資の必要性やメリットを認識できていないステークホルダーも少なくありません。

以上のように、建設業界は大きな課題を抱えています。これらの課題に対応するためには、業界全体での取り組みや新しい技術の習得、教育体制の見直しなどが求められています。

 

次の章ではこうした課題を解決するため、建設業界がRPAを導入するメリットについて説明します。

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建設業界がRPAを導入するメリット

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以前の章では、建設業界の現状の課題について説明しました。ここでは、こうした課題を克服するために、RPAを導入することで得られるメリットについて代表的なものを取り上げます。

ヒューマンエラーがなくなる

建設業界では、設計図の読み解き、材料発注、スケジューリングなど、多岐にわたる複雑なプロセスが存在します。これらのプロセスは、従来は専門知識を持つ人間によって実行されてきましたが、ヒューマンエラーは避けられないリスクとして常に存在しています。RPAの導入により、これらの反復的かつルーティンワークを自動化することで、誤入力や計算ミス、情報の見落としといった人為的なエラーを削減します。

建設プロジェクトにおける品質保証とリスクマネジメントは、プロジェクト成功の鍵です。RPAを導入することで、品質管理プロセスが標準化され、一貫性が確保されます。また、リスクアセスメントにおいても、RPAは予測可能な課題を事前に識別し、リスクを最小限に抑えるための対策を自動的に提案することができます。

RPAの導入によるヒューマンエラーの削減は、建設業界において効率性の向上、コスト削減、リスク軽減、品質の保証、環境への配慮といった多方面にわたるメリットをもたらします。これは、デジタルトランスフォーメーションを推進する上で重要なステップであり、競争力のある持続可能なビジネスモデルへの移行を促進するものです。

人でなければできないことに集中できる

思い返してみてください。今まで定型業務に追われていたためにできなかった、もしくはおろそかになってしまった業務はいくつあったでしょうか。

  

建設業界がさらに発展していくには、人間が本来やるべきこと、人間にしかできない複雑な業務ことにこそ、「人間の時間」を費やすことができる環境を整備すべきです。

 

例えば、新規顧客を獲得するための活動、クライアントの経営課題や労務管理の問題点を洞察するコンサルティング業務、法律の解釈と応用、既存顧客の満足度を高めるためのフォロー活動などです。

 

もしかしたらパートスタッフの方の役割も、作業そのものではなく、RPAがアウトプットしたものを人の目で確認することに重きを置くようになるかもしれません。

 

これからの建設業界において人間は、より付加価値の高い業務、クリエイティブな業務、顧客や従業員の満足度を高める活動などにこそ、より多くの時間を使えるようにするとよいと考えます。

24時間尽くしてくれる

「建設業界の課題」で述べたように、建設業界では現在深刻な人手不足の問題に直面しています。

 

あなたの会社でも、人に関する問題をたくさん抱えていませんか。退職を申し出てくる新人、特に建設業界は毎日毎日過重労働する人も多いと思います。また、忙しくてなかなか新しいことに着手できないこともあるかと思います。このような日々とは早くおさらばしたいですよね。

 

RPAはコンピューターなので、突然、退職を申し出てくることも、さぼったり、陰で文句を言ったり、疲れることも、休暇を取ることもありません。一晩中働かせても残業代も時間外手当もかかりません。社会保険料もかかりません。安全配慮義務もありません。

一度動かしてしまえば、24時間365日働いてくれます。

 

建設業界の労働基準の順守が厳しくなっている中で、このような労働力が手に入るというのは大きなアドバンテージではないでしょうか。

デジタル化の進行との連携

デジタル化の進行と建設業界におけるRPA導入の連携は、多方面にわたって相乗効果を生む可能性があり、RPAの導入はデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速を促すツールとして機能します。以下でデジタル化することによるメリットを詳しくみていきましょう。

建設業界におけるデジタル化は今後、以下の応用分野でRPAの利用が進むと考えられています。

 

BIM(Building Information Modeling)との統合

RPAは、BIMと連携して使用されることが多く、設計から建設、運用に至るまでのプロセスを自動化します。これにより、モデルの精度が向上し、変更管理が容易になります。

 

スマートコントラクトの利用

ブロックチェーン技術を用いたスマートコントラクトは、契約条項が満たされた際に自動的に支払いが行われるようにすることができます。RPAはこれを自動化し、支払いプロセスを簡素化します。

 

サプライチェーン管理

 RPAは、材料の調達から配送までのサプライチェーンを自動化し、在庫レベルを最適化し、延滞を削減します。

労働安全管理

 安全プロトコルの遵守を自動化することで、RPAは労働安全の向上に貢献します。

 

エネルギー管理

RPAは、エネルギー消費の監視と管理を自動化し、持続可能な建設プロジェクトのためのデータ駆動型の意思決定を支援します。

デジタル化の推進と活用は建設業界にとって不可欠です。効率化、コスト削済み、品質の向上、リアルタイムのデータアクセス、コンプライアンスとトレーサビリティの向上など、多数のメリットを提供します。これにより、建設業界は競争力を維持し、持続可能なビジネスを確立することができます。

補充採用コストと教育コストを減らせる

 あなたの会社でも過去に従業員の退職による補充採用、新人への教育を行ったことがあるかもしれません。

 

ところがRPAを導入することで、対象業務を担当していた従業員が退職するときなどに、慌てて補充採用をする必要がなくなります。また、新人さんが習得すべき業務範囲が狭まり、さらに一から業務を教え込む必要もなくなります。これにより、教育期間や必要な教材、トレーニングのコストが削減されるとともに、新人が業務に慣れるまでの期間も短縮される可能性があります。

 

新人さんに業務を教えるのは、たいてい人件費の高い仕事ができる人です。その人の人件費や時間を、退職者が出るごとに繰り返しかけ続けるのはもったいないです。

 

あなたの会社でも人手不足への対応を採用だけで埋めるのではなく、これからは省人化・自動化を検討してみてはいかがでしょうか。

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これらのメリットから、建設業界では多くの企業がRPAの導入を検討しています。次は、RPA導入を検討し始めるタイミングについて説明します。

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建設業界がRPA導入を検討し始めるタイミング

ここまで建設業界が抱えている課題、そしてそれを解決するために、RPAを導入することで得られるメリットについて説明しました。こうしたメリットから、建設業界においてRPAは多くの企業に注目されております。

それでは、建設事務所がいざRPA導入を検討し始めるきっかけ、タイミングはいったい何なのでしょうか。RPAを導入するタイミングとして実際には以下のような建設事務所さんが多いようです。

【建設事務所がRPA導入を検討し始めるタイミングの例】

・工事案件が増えてきたとき

・入札案件が増えてきたとき

・社員が15名を超えてきたとき

これらはもちろん事務所によっても異なりますが、RPA導入を検討し始めるのは、ITに詳しい人材がいないという理由で、人員が増えてきたタイミングであること、または仕事量が増えてきたことが多いです。

さて、ではRPA導入をした後にどのような業務を自動化しているのでしょうか。次の章では事例を出してみていきましょう。

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建設業界においてRPAで自動化されている業務の事例

RPA導入を検討したのち、導入をした企業は実際、多くの業務を自動化しております。

それでは、具体的にRPAで自動化されている業務には、どのようなものがあるのでしょうか。

以下はRPAで自動化されている業務の具体的な事例です。


【RPAで自動化されている業務の具体的な事例】

・取引先へのメール送付

・工事案件情報を基幹システムに入力

・入札案件の情報収集

・建設業の許可番号の自動取得

・設計図の変更履歴の管理と追跡

・工事現場の進捗状況の確認や報告書の作成

・在庫の管理、資材の注文、受領

・経費の申請や承認、支払い

・予算の作成や管理、予算の進捗状況の確認

・請求書の受付処理や支払い処理

・従業員の時間データを基にした勤怠集計、給与計算

・安全基準のチェックリスト作成と報告

あなたの事務所でも同じような業務がある、あるいは取り入れたいという業務はありませんか。ここで、自動化する対象業務を明確化するために、あなたの会社の中で自動化するための対象業務を洗い出す必要があります。

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それでは、RPAで自動化するための対象業務の洗い出しのやり方について見ていきましょう。

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業務の洗い出しをしよう

前章の「建設業界でRPAで自動化されている業務の事例」では建設業界がRPAで自動化している業務の事例にについて取り上げました。

さて、それではこれらの事例ももとに、自分たちの会社で「自動化できそうな業務の洗い出し」をしていきましょう。

もし「洗い出ししたけどRPAの導入に失敗した」という方もいましたら、ここでもう一度、業務の洗い出し方について確認してみてください。

 

業務の洗い出しはまずバックオフィス業務を確認して、そしてその中から「定型業務」を見つけていきます。

では、順を追って説明します。

バックオフィス業務

まず、自動化できそうで洗い出したい業務は、バックオフィス業務の中から見つけていきます。

 

ここでいきなり「バックオフィス業務って何?」という方もいらっしゃると思うので、簡単に説明します。

 

バックオフィス業務とは、「基本的に顧客とやり取りを交わさず、社内で完結する業務」のことです。つまり、従業員が円滑に業務を遂行できる環境を整えたり、企業活動を健全に行うための仕組みづくりや事務手続きなどが、バックオフィス部門の主な業務です。

バックオフィス業務は、企業活動の根幹である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」という経営資源を管理する役割を担っており、経営と密接に関係しています。

 

バックオフィスが強化されることで、企業が持つ経営資源を最大限に活用することができ、業務改善や生産性向上の実現、さらにはより精度の高い経営判断にもつなげることができるため、重要です。

 

ですが、少ない担当者数で膨大な業務量をこなさなければならず業務負担が大きいこと、属人化してしまいやすく、ミスや不正が発生するリスクが高まるなどの課題があります。

 

そこで、バックオフィス業務をRPAで効率化することで、コスト削減、ヒューマンエラーの防止、生産性を向上させることができます。

 

建設業界のバックオフィス業務は、プロジェクトの成功に不可欠であり、主に事務的なサポート、資料管理、財務計画、人事、および法務コンプライアンスに関連する活動を含みます。が中心ですが、彼ら自身の事務所運営や業務遂行のためのバックオフィス業務も多岐にわたります。次の図をご覧ください。

財務と会計

会社の収益、経費、利益の管理、財務報告の作成、予算の管理、請求、債務管理など

人事

従業員の採用、教育訓練、給与計算、福利厚生の管理、労働条件の調整、パフォーマンスの評価など

IT

ITインフラの運用・保守、ソフトウェアとハードウェアの更新と管理、ヘルプデスクサポート、データ管理、新技術の導入など

法務
 

契約の管理、法的リスクの評価、企業政策の作成と適用、法律上の問題の対応など

​スケジュール管理
 

次回のクライアントミーティングの日時調整、年次のセミナーや研修のスケジュール作成など

次回のクライアントミーティングの 事務所や製造施設などの維持・管理、安全対策、環境対策など調整、年次のセミナーや研修のスケジュール作成など

​施設管理
 
​広告・マーケティング
 

事務所のホームページの更新、局地的な広告のデザイン・掲載手配など

通信・連絡業務
 

保険事務所や労働局への問い合わせや手続きの確認、クライアントからの質問や要望に対する返答など

顧客情報の管理
 

新規顧客の情報登録や既存顧客情報の更新、依頼内容や提案書、契約書のスキャンとデジタルアーカイブなど

このように建設業界のバックオフィス業務は、多岐にわたっていることが分かります。

これらが自動化されれば今まで失った多くの時間と人員を削減できると思いませんか。

 

もちろん、中には人間の目が必要なので、自動化できない個所もあります。

ですが、「RPAを導入するメリット」の章で述べたように、レポート分析など自動化できそうなところはRPAに任せることで、人は人でなければできないことに時間を当てられ、集中することができます。

 

このように、バックオフィス業務を確認することは重要です。

あなたの会社でも一度、バックオフィス業務の流れについて書き出してみるとよいでしょう。

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定型業務を見つけよう

さて、建設業界のバックオフィス業務の流れについて確認したところで、次にこれらの中から「定型業務」を見つけていきましょう。

 

ここでも、「そもそも定型業務って何?」という方もいらっしゃると思うので例をあげてみていきましょう。

 

「定型業務」とは、一定の手順やルールに基づいて繰り返し行われる業務のことを指します。弊社では、 「誰がやっても同じ結果(アウトプット)になる業務」と説明しています。

 

思い返してみてください。あなたが経験してきた業務のなかで、「ちょっと面倒だな」「ほかの人でもできそうだな」と思った業務はありませんでしたか。

 

それはほとんどの場合、「定型業務」です。それらは、一定の手順やルールに基づいて繰り返し行われる業務なので誰がやっても同じ結果になるため、RPAで自動化できるのは定型業務であるというわけです。

 

定型業務は一般的に簡単で単純な作業であることが多いです。

ですが簡単で単純な作業でも、人間が繰り返し行っていると当然ミスも発生します。

 

なので、自動化できる業務は自動化してしまい、人は人にしかできない別の業務に時間を振り向けて生産性を上げていこうという考えて、多くの建設業界がRPA活用に乗り出しているのです。

それでは、これらも参考にあなたの会社の定型業務を洗い出してみましょう。

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その際、弊社の【自動化業務洗い出しシート】を使うと便利です。また以下ボタンの「費用対効果を計算方法」ではこのシートを用いて解説しています

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RPA導入後の失敗パターンと対処策

さて、前章では、業務の洗い出しおよび費用対効果の計算例について説明してきました。

 

ここまで聞くと、「RPAの導入はいいことだらけだ」「費用対効果が良ければ問題なく導入できる」と、そう思いませんでしたか。

 

ところが、実際多くの企業はRPAを導入した後にさまざまな課題に直面しています。RPAは導入してからが本当のスタートなのです。

 

ここでは、RPAを導入した後に直面する建設業界の失敗パターン、および対処策について説明します。

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優先順位を上げられず作業時間を確保できない

「RPAを導入したけど、作業する時間がなくて断念してしまった。」

 

弊社に相談いただく企業のなかにもこのような理由でRPAの導入に失敗してしまった企業があります。

 

実はこれは、建設業界においてRPA活用を進める上でほとんどの企業につきまとう課題です。

 

確かに、建設業界では繁忙時期に作業時間を一時的に確保できないことはあるでしょう。しかし、普段の仕事の中での優先順位が低いと、恒常的にRPAに触れないということになってしまいます。

 

特に何かと忙しく、余剰人員もほとんどいない中小企業にとっては、暇な時間ができたら触ろうとしても、暇な時間はほとんどありません。

 

弊社ユーザーの担当者には、「いつ作業するか」を決めて、その時間は極力ほかのことはやらないようにしている人もいます。

 

そのためには組織的な理解と協力も必要ですので、できれば経営陣からその理解を促進していただきたいと思います。

組織的に取り組めていない

建設業界の現場では、RPA活用に関して「任せられる人がいない」といったこともよく見受けられます。それは、多くの建設会社にとって、RPAやデジタル技術への移行は大きな文化的変化を必要とし、従来の方法とプロセスに慣れ親しんでいる従業員は、新技術への抵抗感を示すことがあるためです。技術の導入に伴う仕事の変化や、場合によっては職を失うかもしれないという不安が、組織内の抵抗を生む原因となることがあります。

 

また、建設業界の企業の中には、古いシステムや技術インフラを使用している場合があり、これがRPAソリューションとの互換性の問題を生じさせます。加えて、バックオフィス業務において、必要なデジタルスキルを持った人材が不足している場合が多いです。RPAツールを効果的に設計、実装、管理するためには、特定の技術的知識が必要ですが、これらのスキルが現場に存在しない場合、RPA導入の障壁になります。

 

もしRPAの担当者が決まっても、うまくいかない状況が続くと、担当者は「うまくいかない自分が悪い」と思ってしまい、RPAから気持ちが離れてしまいます。そしてほかの仕事を優先しシナリオ作成作業に時間を使わず、サポート企業に相談することもなく、新規プロジェクトが頓挫してしまうのです。

 

RPAは組織的に取り組む方が中長期的に成功しやすく、モチベーションを維持してくれる仲間の存在も励みになるので、

 

「困ったときに相談できる、助けてくれる人がすぐ近くにいる」

 

という状況をつくってあげることが大切です。建設事務所ごとに、専任のサポートチームや外部のコンサルタントと連携をとることで、RPAのノウハウを共有し、適切なサポートを受ける体制を整えることが重要です。

自社自動化できない

「どうせRPAを導入するなら、ツール選定に失敗して導入後にツールごと入れ替えるということはなるべく避けたい」と、多くの方が思われていることと思います。

 

ですが、残念ながら自社業務に合わないRPAツールを選定してしまうというケースもよくあります。

 

建設業界の企業がRPAツールを入れ替えた理由は以下の2つが大半を占めます。

 

「自社の自動化したい業務に対応できないツールだった」

「サポートが十分ではなかった」

 

そもそもシステム同士の相性が悪かったり、機能が不足していたりすると、どれだけ頑張っても自動化できないことがあります。

 

そこで、ツール選定に失敗して費用と労力の無駄を避けるためにも、

 

「機能の充実」「使いやすさ」「サポート内容」

 

この3つの観点で選ぶことが重要です。

 

特に「機能」に関しては、オンプレミスの基幹システム、Excel、クラウドツールなどに幅広く対応できるツールがどうかも確認しましょう。

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「具体的にどのような基準で確認すればよいかわからない」という方は以下の【ツール選定の小冊子(チェックリスト付き)】を参考にしてみて下さい。RPA販売業者に質問する際に活用いだだけるとよいかと思います。

また、クライアントのRPA​エラーについてなどの要望を1つ1つすべて聞くのは時間制約もある中でとても大変です。ですがそのようなケースでも、弊社が責任持ってRPA運用をサポートいたしますので、もし少しでも不安を抱えているのであればぜひ弊社にお任せください。すでにRPA導入している方、これからRPA導入を検討している方、どなたでもご連絡お待ちしております。

 

弊社は多くの建設事務所さまのサポートをさせていただいております。以下のボタンから弊社の取り組み、また他社との違いについて紹介していますので、ぜひご覧ください。

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