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行政文書対応を劇的効率化!RPA×生成AIで実現する自治体DXの最前線

  • 兎澤直樹
  • 7月29日
  • 読了時間: 4分
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1. はじめに:行政文書対応における深刻な課題


多くの公共機関では、住民対応や内部手続きに関連する文書が膨大に発生しています。文書の種類も通知書、報告書、決裁書、確認書など多岐にわたり、その管理と処理は職員にとって大きな負担となっています。特に、紙・PDF・Wordなど形式がばらばらで、目視確認や手作業での情報転記が主流という現状では、属人化やヒューマンエラーのリスクも避けられません。

こうした状況を打破する鍵として注目されているのが、「RPA」と「生成AI」の組み合わせです。


2. 解決の鍵は「RPA×生成AI」の組み合わせ


RPAは、定型的で繰り返しの多い事務作業を自動化するツールです。一方で生成AIは、文書の内容理解や要約、分類など、人間が判断を要するタスクを支援する技術です。

この2つを組み合わせれば、以下のような連携が可能となります:

  • 生成AI:行政文書を読み取り、分類・要約・重要情報の抽出

  • RPA:抽出された情報をもとに、庁内の管理システムへ入力・保存・通知

つまり、これまで人の目と手で行っていた文書処理が、ほぼ自動で完結できる体制が構築できるのです。


3. 自治体業務のどこに効く?ユースケース一覧


RPAと生成AIの連携は、以下のような業務に高い効果を発揮します


  • 文書の自動分類・仕分け

    例:住民からの申請書を「住民票関連」「児童手当」「税務関係」などに自動分類


  • 定型回答の自動生成

    例:窓口対応履歴から自動でメール文面を生成し、職員が確認して送信


  • PDF文書からの情報抽出・台帳登録

    例:紙ベースで届く報告書をOCR+AIで読み取り、要約を台帳に転記


  • 文書管理の検索性向上

    AIにより要点を抽出したメタデータが整理され、検索が容易に


これらは全て、現場職員の時間を節約し、業務の質を向上させる取り組みです。


4. 実証実験:RPAと生成AIで文書処理を自動化してみた


筆者自身も、以下のような簡易実証を行い、実用性を検証しました。


使用したツール:

  • RPA:MICHIRU RPA

  • 生成AI:ChatGPT

  • 対象文書:架空の行政報告書(PDF形式)


ステップ:

  1. RPAでPDFを読み取り、OCRテキストを抽出

  2. 生成AIに文書の「分類」「件名抽出」「要約」を依頼

  3. RPAで抽出結果をExcelに転記し、管理台帳化


    ↑架空の行政報告書
    ↑架空の行政報告書

    ↑出力されたExcel
    ↑出力されたExcel

結果:

  • 文書分類の精度:93%(100回試行)

  • 要約内容の妥当性:全て人手で確認して8割以上有効

  • 手作業の処理時間:約7分 → 自動化後は約50秒



所感:単純な形式の文書であれば十分に自動化が可能であり、生成AIが理解できるようなテンプレート設計を心がけると精度が向上しました。


5. 期待できる効果と導入のポイント


生成AIとRPAの導入により、以下のような効果が見込めます。


  • 作業時間の短縮:単純転記や文書整理の時間を最大80%以上削減

  • ミスの削減:目視確認ミスを防止し、データ整合性を担保

  • 業務の標準化:属人化を防ぎ、誰でも対応可能に

  • ナレッジ継承:文書分類・要約ルールが自動的にAIに蓄積される


導入のステップ例

  1. 小規模実証で生成AIの精度を評価

  2. 一部業務でRPAを組み合わせた運用テスト

  3. 全庁導入に向けた費用対効果の測定


6. よくある課題とその乗り越え方

導入に際してよく聞かれる懸念と、その対応策は以下の通りです。

課題

対応策

AIの判断精度に不安

最初は職員による確認を併用し、徐々に自動化レベルを上げる

セキュリティが心配

クローズドなオンプレ環境、ログ取得・IP制限の実施

コストが気になる

実証→段階導入でスモールスタート。国の補助金制度活用も検討

7. まとめ:自治体DXの第一歩として、今こそ始めるべき


RPAと生成AIの活用は、行政文書業務の変革だけでなく、住民サービスの質を高め、職員の働き方改革にも直結します。

はじめは一つの業務でも、小さく始めて大きな成果へとつなげることができます。DXの第一歩として、あなたの自治体でも“文書対応の自動化”から始めてみませんか?


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