教育業界の業務を劇的効率化!RPA×生成AIの最前線
- 兎澤直樹
- 8月8日
- 読了時間: 4分
更新日:9月5日

はじめに:なぜ今、教育現場に業務効率化が必要か?
「教師は授業以外に忙しすぎる」――教育現場でよく聞かれる声です。実際、文部科学省の調査でも、教員の平均残業時間は月80時間を超えるとされており、その多くが成績処理や事務書類の作成に費やされています。
加えて、GIGAスクール構想の浸透によりICT化が進む一方で、システム運用や情報管理といった「本来の教育活動以外の仕事」が増えています。こうした背景から、今まさに業務効率化の必要性が高まっているのです。
教育業界の業務課題とは?(現場のリアル)
現場の教職員が直面している主な業務課題は以下の通りです。
成績処理や出席管理の煩雑さ
保護者向けの通知文書作成の手間
教育委員会への報告書類の多さ
教材作成やシラバス整備の属人化
たとえば、ある公立高校では学期末の成績処理に、1クラスあたりおよそ6時間を要しています。教員が4クラス担当していれば、それだけで丸1日以上の時間が失われることになります。
解決策1:RPAによる定型業務の自動化とは?
RPAは、定型的なパソコン業務をロボットに置き換える技術です。たとえば、以下のような処理をRPAで自動化できます。
成績表のExcel入力 → 成績管理システムへの転記
出席簿のPDF化 → 保管フォルダへの自動保存
学年末の報告書作成 → ひな形へデータ差し込み
教育現場でも、Google WorkspaceやExcel、PDFなど日常的なツールに対応したRPAであれば、専門知識がなくても導入しやすいのが特徴です。
解決策2:生成AIによる企画・文書作成支援とは?
ChatGPTなどの生成AIを活用することで、以下のような創造的な業務も効率化できます。
保護者向けのお知らせ文書の草案作成
通知表コメントの自動生成
授業で使う教材のアイデア出し
生徒対応のFAQチャットボット
たとえば、「成績が伸びた生徒に対して褒めるコメントを生成」など、感情や文脈を含んだ文章作成も可能です。ただし、個人情報保護や倫理的配慮には十分注意が必要です。
実証実験:RPA×生成AIで通知表コメントの自動化に挑戦!
「通知表コメント作成を自動化できるか?」
実験環境:
成績表(架空データ/Excel)
ChatGPT
RPAツール(MICHIRU RPA)
手順:
Excelから生徒名・教科・成績を読み込み
ChatGPTへプロンプトとともに送信
例:「Aさんは数学の成績がAです。中学2年生にふさわしい保護者向け通知表コメントを作成してください。」
生成されたコメントをExcelに追記
各コメントをWordに差し込み、PDF化
PDFを個別フォルダへ自動保存

■ 出力された通知表コメント(保護者向け)
佐藤花子さんは、日々の学校生活に意欲的に取り組み、学習面・生活面ともに安定した姿勢を見せてくれています。授業では積極的に発言し、友人とも協力しながら課題に取り組むことができています。特に理科や美術の授業では探究心や創造性が光り、作品や実験のまとめなどで高い成果をあげています。
一方で、英語のリスニングや数学の応用問題ではやや苦手意識が見られる場面もありましたが、諦めずに取り組む姿勢があり、今後の成長が楽しみです。また、クラスでは人間関係も良好で、落ち着いた行動と周囲への思いやりのある言動が多くの信頼につながっています。
これからも、得意な分野をさらに伸ばすとともに、課題に対してもコツコツと努力を続ける姿勢を大切にしていけるよう、支援してまいります。引き続きご家庭でのご協力・ご支援をよろしくお願いいたします。
結果:
1人あたり約5秒でコメント生成完了
40人分の通知表コメントが5分以内に出力
文体や内容も十分自然で、手直しの必要は最小限
教育現場での導入時に注意すべきポイント
RPAや生成AIの導入には以下の配慮が必要です。
個人情報保護法への準拠(生徒データの外部送信禁止設定)
教職員のITリテラシー研修
AIの出力内容のダブルチェック体制
自治体・管理職との合意形成とガイドライン策定
導入のハードルを下げるためには、まず一部業務での小規模な実証から始めることが鍵です。
まとめ:教育現場の未来を支える、テクノロジーとの共存
RPAと生成AIは、単なる業務効率化の手段ではありません。教員が本来注力すべき「教えること・向き合うこと」に時間を取り戻すための道具です。
まずは、自校の業務をリストアップし、試験的に1つだけでも自動化を試してみることから始めてみませんか?導入ツールの多くは無料トライアルも用意されており、初期コストの心配も少なく済みます。
教育の質を守るために、テクノロジーと手を取り合う。今、その第一歩を踏み出すタイミングです。
↓RPA運用サポート.comへの無料相談はこちらから
全国リモート対応可能。お気軽にお問い合わせください。
↓こちらから資料をダウンロードできます



