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帳票作成はAIとロボットに任せよ ― RPA×生成AIが変える建設業の事務作業改革〜日報・作業報告書・見積書の自動化で現場負荷を劇的削減〜

  • 兎澤直樹
  • 8月5日
  • 読了時間: 3分
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1. はじめに:現場で疲弊する建設業の帳票作成業務


建設業では、現場での作業以上に「事務作業」が現場監督や職人の負担となっています。日報や作業報告書、見積書の作成には、多くの時間が割かれ、「現場が終わってから深夜まで事務所で書類を仕上げる」といった光景も少なくありません。

これらの帳票は、手書きやExcelによる作成が主流で、テンプレートはあっても内容は一つひとつ人が入力する必要があります。結果、属人化・ミス・タイムロスが慢性化しており、特に中小規模の建設会社では深刻な業務負荷となっています。


2. 技術の融合:RPAと生成AIが帳票を変える


こうした状況を打破する鍵が、「RPA」と「生成AI」の組み合わせです。

RPAは、定型的な操作やデータ処理に強みを持ち、Excelやファイル操作の自動化に最適です。一方、ChatGPTに代表される生成AIは、与えられたデータから自然な文章を生成する能力に長けています。

この2つを組み合わせることで、たとえば「現場情報の入力 → RPAによるデータ収集 → AIによる文書化 → 帳票出力」といった一連の作業を自動化できます。


3. 実証実験:架空の建設現場データを用いた帳票自動生成の検証


自ら実証として、以下のような想定で実験を行いました。


● 想定ケース

  • 工事日:2024年10月5日

  • 作業内容:基礎工事(掘削・鉄筋組み立て)

  • 作業員:3名(田中、大島、佐藤)

  • 作業時間:8:00〜17:00

  • 材料:鉄筋20mm(50本)、生コン(4㎥)


● 使用ツール

  • RPA:MICHIRU RPA

  • 生成AI:ChatGPT-4


● 出力された日報(抜粋)

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本日の作業報告

上記のような帳票が、RPA実行からわずか20秒ほどで自動生成されました。


4. 分析:RPAと生成AIそれぞれの役割と限界


RPAはExcelやテンプレート帳票の制御、データ配置、保存といった“手の作業”を担い、生成AIは人が自然に書くような説明文や報告文といった“頭の作業”を担います。

それぞれの役割を切り分けることで、エラーや精度のばらつきも抑えられますが、注意点もあります。生成AIは情報があいまいだと誤解釈する恐れがあり、「プロンプト(指示文)」設計や出力文の確認工程が重要です。


5. 効果:人手作業との比較と業務削減インパクト


手作業で同様の帳票を作成した場合、最低でも1帳票あたり10分以上かかります。今回の実証では、20秒で帳票出力+自然な報告文まで完成し、約90%以上の時間削減が見込まれました。

さらに、文章品質も安定し、属人化のリスクが軽減される点も大きなメリットです。


6. 現場導入に向けた課題と解決の方向性


一方で、実際の現場導入においては以下のような課題が挙げられます。

  • 入力データの整備:誰が、どのように、どこに入力するのかを明確に

  • AIの出力制御:過剰な表現や誤解を防ぐプロンプト設計が必要

  • チェック体制:最終的な内容確認や誤りの検知方法を人と分担する設計

これらは、実証の段階で仕様や業務フローに落とし込んでおくことで十分に克服可能です。


7. まとめ:帳票作成は“考えるより試す時代”へ


生成AIとRPAの登場によって、建設業における帳票作成の在り方が変わろうとしています。人が文章を考え、Excelを開いて、テンプレを整えて…という従来のフローを、今やAIとロボットに一任できる時代です。

特に中小規模の建設業こそ、現場負荷を減らし、社員の働きやすさと品質を両立するチャンスです。まずは実証から、業務自動化の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。


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