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【物流現場が劇的改善】RPA × 生成AIで伝票処理を自動化!人手不足・ミス・コストの課題を一挙解決

  • 兎澤直樹
  • 8月12日
  • 読了時間: 3分
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1. 物流業界を悩ませる「伝票処理」の現実


物流業界では、納品書や出荷指示書など紙の伝票を手作業で処理する業務が今なお多く残っています。特にBtoBの現場では、取引先ごとに書式がバラバラな紙伝票を手で読み取り、Excelや基幹システムに転記する作業が日常的に発生。この「人の目と手」に依存した工程は、以下のような問題を引き起こします。

  • 入力ミスや見落としによる誤配送・二重発注

  • 担当者依存の属人化

  • 残業を招く非効率な処理フロー

人手不足が深刻化する中、こうした伝票処理のデジタル化は、今や物流現場の喫緊の課題です。


2. なぜ今「RPA × 生成AI」なのか?


RPAは、決まったルールに沿った業務を人間の代わりに自動で行うツールです。たとえば、Excelの値を基幹システムに転記するといった操作が得意です。

一方、生成AIはルールに沿わない「例外対応」や、文脈理解を必要とする業務に強みを発揮します。たとえば、

  • 書式が異なる複数の伝票から必要な項目を判断して抽出

  • 手書きメモや曖昧な表現を解釈してデータ化

といった高度な処理にも対応可能です。

そしてOCRと組み合わせれば、紙の伝票から必要な情報を抽出し、RPAがそれをシステムに自動登録するという“業務の完全自動化”が実現できます。


3. 自社でできる!伝票処理自動化の実証実験を実施


今回、以下のような仮想実験を行いました。

● 実験概要

  • 対象書類:納品書・出荷指示書・受領書(3種類の架空サンプル)

  • 工程:PDF→AI OCR+生成AIで項目抽出→RPAでシステム入力

  • 項目例:伝票番号、日付、納品先、品目、数量、単価など

● 使用技術

生成AI(GPT-4)

RPA(MICHIRU RPA)


↑納品書サンプル
↑納品書サンプル

↑出荷指示書サンプル
↑出荷指示書サンプル
↑受領書サンプル
↑受領書サンプル
↑出力結果
↑出力結果

4. 実証結果:処理時間90%削減、誤入力ゼロへ


● 結果概要

  • 処理時間:手作業15分 → 自動処理1.5分(約90%削減)

  • 入力精度:手作業での誤入力率 約3% → 自動処理 0%

  • 再確認にかかる負担も大幅減

実際の伝票に近いフォーマットを使って検証したところ、項目の読み取りや例外判断も想定以上の精度で処理されました。特に「品名欄に追記された手書き指示」や「空欄を生成AIが文脈から補完」するケースで効果が顕著でした。


5. 成功のポイント:AIの限界を補う「組み合わせ戦略」


伝票処理にAI OCR単体を使った場合、レイアウト崩れや手書きが多い書類では精度が下がりがちです。また、RPAだけでは例外的な判断が難しい。

そこで今回注目すべきは、生成AIが補完的に関与することで“実用レベルの完全自動化”が実現した点です。

  • 形式がバラバラなPDFでも、AIが文脈から項目位置を判断

  • 欠損データを生成AIが推定・補完

  • RPAは定型業務に集中し、例外はAIに委任

この役割分担が、精度と汎用性を両立させる鍵になります。


6. コスト面の現実:導入コストと回収シミュレーション


物流企業が導入を検討する際、最も気になるのは「費用対効果」でしょう。以下は試算の一例です。

項目

手作業

自動化後

月間処理件数(例)

1,000枚

同左

処理コスト(1件あたり)

約200円(人件費換算)

約30円(RPA+AI API費)

月間コスト

約20万円

約3万円

初期費用(PoC+構築)

-

約30〜50万円程度(ケースにより変動)

ROI回収見込み

約3〜4ヶ月で黒字化


7. まとめ:物流現場の「伝票処理革命」は、もう始まっている


RPAと生成AIを組み合わせることで、物流現場の煩雑な伝票処理が自動化され、作業時間とミスの削減、そしてコスト削減に直結します。この流れは、単なるデジタル化ではなく、業務構造そのものの変革(DX)への第一歩です。

伝票処理にとどまらず、今後は在庫管理・出荷管理・配送計画との連携も視野に入ります。自社で小さく始めて、大きな変革を生む——そんな可能性が、RPAと生成AIの融合にはあります。


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