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RPA × 生成AI × アップデート情報の収集が変える業務効率化の未来

  • 兎澤直樹
  • 10月11日
  • 読了時間: 5分


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企業における情報収集は、もはや避けて通れない業務のひとつです。特に日々進化を続けるソフトウェアやクラウドサービスでは、アップデート情報をいかに素早く把握し、業務へ反映できるかが競争力の差につながります。しかし現実には、公式サイトやベンダーのプレスリリース、技術ブログ、SNSなど多様なチャネルを人手で巡回し、必要な情報を抜き出して整理する作業は膨大です。

そこで注目されているのが、RPAと生成AIの組み合わせによる「アップデート情報収集の自動化」です。本記事では、この組み合わせがどのように実務で役立つのかを分かりやすく解説し、さらに実際の実行例を取り上げながら、導入のイメージを具体的に描いていきます。


RPAと生成AIが補完し合う理由


RPAは「決まった手順の自動化」が得意です。例えば「毎週月曜9時にブラウザを開き、特定サイトの更新情報をコピーしてExcelに貼り付ける」といった作業を、人間が操作するのと同じ手順で代行します。

一方で生成AIは「非構造的な情報の解釈と要約」が強みです。アップデート情報は箇条書きや文章、場合によってはスクリーンショット付きで提供されることが多く、そのままでは業務に使いづらいケースがあります。生成AIを組み合わせれば、「アップデート内容を一文で要約する」「既存システムへの影響度を判定する」「日本語で読みやすい解説を作成する」といった知的処理が可能になります。

つまり、RPAが“手足”として動き、生成AIが“頭脳”として解釈する。両者を組み合わせることで、単なる自動収集を超えた「実務に役立つ情報化」が実現するのです


アップデート情報収集の課題と自動化のメリット


人手による情報収集の課題

  • 複数の情報源を巡回するため、確認漏れが発生しやすい

  • 情報が英語や専門用語で書かれており、理解に時間がかかる

  • 更新頻度が高いサービスでは、日次レベルで追従する必要がある

  • 担当者依存になりやすく、属人化が避けられない

自動化のメリット

  • RPAにより「抜け漏れのない巡回」と「定時実行」が可能

  • 生成AIにより「翻訳」「要約」「影響度の解釈」が自動で行える

  • 情報をExcelやSlackなど既存ツールに集約でき、即活用できる

  • 担当者は“読むだけ”で済むため、意思決定のスピードが向上

こうしたメリットは、特にIT部門や情報システム担当だけでなく、マーケティング部門や経理・人事など幅広い領域で効果を発揮します。


実行例①:クラウドサービスのリリースノート収集


まず代表的な実行例が、クラウドサービスのリリースノートの自動収集です。

例えばSalesforceやMicrosoft 365、Google Workspaceといった業務で頻用するサービスでは、月次・週次で多くの機能追加や仕様変更が発表されます。これをRPAで以下の流れに沿って自動化します。

  1. 対象サイトの巡回

    RPAが毎週決まった時間に各ベンダーの公式サイトにアクセス。リリースノートや更新情報ページを開きます。

  2. テキストの抽出

    新しい情報のタイトルや本文を取得し、日付やカテゴリ別に整理。

  3. 生成AIによる要約と解釈

    抽出した情報を生成AIに渡し、「今回の更新はセキュリティ強化か新機能追加か」「日本のユーザーにとってどのような影響があるか」を自動で解説。

  4. ExcelやSlackへの配信

    最終的に、担当者がすぐ読める形で表やメッセージとして出力。

これにより、従来は担当者が数時間かけて読んでいたリリースノートを、5分で確認可能な要約レポートとして受け取れるようになります。


実行例②:セキュリティアップデートの監視


次に重要なのが、セキュリティ関連のアップデート情報です。

例えばAdobeやOracle、各種ブラウザのセキュリティパッチは、企業システムの安全性を左右するクリティカルな情報です。これもRPAと生成AIで自動化できます。

  • RPAが毎日CVEデータベースやベンダーのセキュリティブログを巡回

  • 新規投稿を検出すると、自動的に内容を取得

  • 生成AIが「緊急度」「影響範囲」「推奨アクション」を簡潔にまとめる

  • 社内IT部門のチャットに即通知

これにより、脆弱性情報が公開されたその日のうちに関係部署が対応を検討できる体制が整います。


実行例③:マーケティング関連ツールの更新追跡


IT部門以外にも有効なのが、マーケティング部門での活用です。

たとえばSNS広告の管理画面やGoogle Analyticsの仕様変更は、キャンペーンの成果測定や予算運用に直結します。

  • RPAが広告プラットフォームの公式ブログを巡回

  • 生成AIが「入札アルゴリズムの変更」「新しい指標の追加」といった重要部分を抜き出し

  • Excelにまとめて過去更新と比較し、グラフ化

これにより、マーケターは“何が変わったのか”をすぐに把握し、戦略を柔軟に調整できます。


実行例④:法令や制度改正情報の収集


経理や人事にとっては、法令や制度改正も見逃せません。

たとえば社会保険料の改定やインボイス制度の変更などは、日常業務に直接影響します。

RPAで官公庁の公開情報ページを巡回し、生成AIで「今回の変更点」「適用時期」「企業が取るべき対応策」を要約すれば、管理部門は効率的に対応準備を進められます。


導入ステップと拡張性


実際に導入する際は、以下の流れで進めるとスムーズです。

  1. 収集対象を決める(例:リリースノート、脆弱性情報、法令改正)

  2. RPAシナリオを作成する(対象サイトの巡回、抽出範囲の設定)

  3. 生成AIへのプロンプト設計(要約・分類・影響度判定など)

  4. 出力形式を整える(Excel、Slack、メール配信など)

一度仕組みを構築すれば、対象サイトを追加したり、要約の粒度を変えたりといった拡張も容易です。


まとめ:RPAと生成AIがもたらす“情報収集から意思決定へ”の進化


アップデート情報の収集は、単なるデータ収集にとどまりません。それをいかに“業務に役立つ情報”へと変換できるかが重要です。

RPAと生成AIの組み合わせは、情報収集の属人性をなくし、組織全体の意思決定スピードを加速させます。さらに、担当者は単純な収集や翻訳作業から解放され、戦略的な分析や企画に集中できるようになります。

これからRPAを導入しようと考えている企業にとって、「アップデート情報収集」は取り組みやすく、効果を実感しやすいテーマです。日常業務に直結するため、ROIも明確に示しやすいでしょう。

「情報収集の自動化」から「意思決定の自動化」へ。その第一歩として、RPA × 生成AIによるアップデート情報収集は、まさに最適な導入シナリオといえるのです。



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