RPA×生成AIでこれからの在庫管理はここまで変わる!
- 兎澤直樹
- 2 日前
- 読了時間: 3分

1. はじめに:在庫管理の“あるある”課題
在庫管理において、次のような課題は多くの現場で共通です。
発注し忘れて在庫切れ
想定以上に発注して棚があふれる
担当者が忙しくて更新が遅れがち
Excel表の更新・報告・意思決定が属人化している
特に中小企業では、紙帳票やExcelでの在庫管理が主流で、自動化や最適化が進んでいないケースも少なくありません。そこで私は、「RPAと生成AIを組み合わせて、在庫管理を効率化しつつ、より賢くできないか?」というアイデアを実証実験として試してみることにしました。
2. RPAと生成AIはどう活用するのか?
まず、今回使用した技術は次のとおりです
RPA(MICHIRU RPA)
定型的な作業、例えばCSVの読み込み、表の整形、レポート出力を自動化。
生成AI(ChatGPT)
過去の在庫変動・売上傾向から「次に発注すべき数量」や「その理由となるコメント」を自動生成。
3. 実証実験:架空の在庫データで検証
●想定業務:日用品の週次在庫管理
以下のような架空の商品データをExcelで作成し、RPAと生成AIに処理させました
商品名 | 今週在庫 | 先週在庫 | 1週前売上 | 発注ロット |
トイレットペーパー | 28 | 50 | 22 | 10 |
歯ブラシ | 60 | 62 | 2 | 5 |
洗濯洗剤 | 15 | 40 | 25 | 10 |
●処理内容
ExcelファイルをトリガーにRPAが自動起動
データをChatGPTに送信し、以下を生成
発注すべき数量(在庫変動・売上傾向をもとに)とその理由(人にわかりやすく)
レポートとして別ファイルに出力
4. 実行結果例
以下は実際に出力された一例です。
⇩出力レポート(抜粋)
商品名 | 発注数量 | コメント |
トイレットペーパー | 20 | 在庫数が2週連続で減少し、売上も安定しているため、20個の補充を推奨します。 |
歯ブラシ | 0 | 売上が少なく在庫も十分にあるため、今回は発注不要です。 |
洗濯洗剤 | 30 | 在庫が急減し、売上も高いため、多めの補充が望ましいです。 |
このように、コメントが在庫変動を考慮した結果を反映して書かれているため、報告書や上司説明にも転用しやすいと感じました。
5. 得られた効果:時間と判断の精度向上
実験を通して、次のような効果を実感できました
Excel整形や判断作業にかかっていた30分が5分以下に
判断基準が定量的かつ一貫し、属人性が排除
上司報告資料にもそのまま活用できるフォーマットで出力
何より、毎週「考える・悩む・説明する」作業が激減したのが大きな収穫です。
6. 課題と改善ポイント
もちろん、課題もありました。
発注量の予測精度は完璧ではない(特に突発的な需要変動)
生成AIの出力が冗長になることもある
在庫データの更新が正確でないと、出力にも影響
今後は、売上履歴をもっと長期で読み込ませたり、BIツールと連携させたりすることで、さらに高度な最適化が可能になるでしょう。
7. おわりに:PoCから始める在庫最適化
RPAと生成AIの組み合わせは、「人が判断するしかない」と思われていた在庫業務に対して、明確な改善の道筋を示してくれます。
今回のような小規模な実証実験であれば、エンジニアでなくとも試すことが可能です。最初はExcelと無料ツールだけでも十分です。そこから段階的に、現場の改善につなげていくことができます。 ↓RPA運用サポート.comへの無料相談はこちらから
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