top of page

生成AIとRPAで変わる!人事業務の手作業からの脱却

  • 兎澤直樹
  • 1 日前
  • 読了時間: 6分


1. 人事部門が抱える「手作業の壁」

採用活動、勤怠管理、評価集計、入退社手続き──。人事業務には多くのルーティンワークが存在します。日々届く候補者からの問い合わせメール、期末の評価コメント集約、誤記チェックや書類作成など、いずれも重要ではあるものの「人がやらなくてもよい」作業が数多く含まれています。

特に中小企業や人事専任者が限られる組織では、業務が属人化し、繁忙期になると処理が追いつかなくなることも珍しくありません。私自身、学生インターンとして人事業務の一部に関わった際、「これ、機械でできないのか?」と何度も感じた経験があります。

そんな中、注目を集めているのがRPAと生成AIの連携活用です。

2. RPAと生成AIの連携が生む新しい人事業務のカタチ

RPAは、PC操作を記録・再現し、繰り返しの作業を自動化してくれるツールです。一方、生成AIは自然言語を理解・生成し、問い合わせへの返答や文章作成などの“非定型業務”を支援してくれます。

この2つを組み合わせることで、

  • RPAで情報を取得し

  • 生成AIで内容を処理・判断

  • RPAで処理を完結させる

という一連の“業務フローの自動化”が可能になります。

これは、単なるツール導入ではなく、業務設計そのものを変える手段です。

3. 自作検証で検証!「応募者メール対応」の自動化

実際に、自分で次のようなシナリオを組み、どれだけ人事業務が効率化できるのかを試してみました。


想定シナリオ:採用担当者のメール対応を自動化

  • 架空の応募者からの問い合わせメール(3通)をGmailに用意

  • 生成AI(ChatGPT)に最新の企業情報を読み込ませておく(募集職種の一覧,インターン/新卒/中途の選考フロー,提出書類の種類と形式など)

  • RPA(MICHIRU RPA)を使用し、ChatGPTに問い合わせ内容を要約・分類してもらい、メール取得→分類→返信まで自動で実行


自動化の流れ

  1. Gmailの受信トレイから、件名「応募に関する質問」のメールを取得

  2. 本文をChatGPTに送信し、返信草案を生成

  3. Google mailで応募者に自動返信


【例1】インターンシップ応募に関する問い合わせ

応募者からのメール(初期接触):



件名:インターンシップの応募について


本文:株式会社〇〇 採用ご担当者様

はじめまして。〇〇大学△△学部の□□と申します。貴社ホームページにて拝見したインターンシップのご案内に興味を持ち、ご連絡させていただきました。応募方法や必要書類について、詳しく教えていただけますでしょうか。

何卒よろしくお願い申し上げます。


返信草案:

件名:インターンシップ応募方法のご案内


本文:□□様

このたびは弊社インターンシップにご興味をお持ちいただき、誠にありがとうございます。

インターンシップへのご応募は、以下の専用フォームよりエントリーをお願いいたします。【エントリーフォームURL】https://xxxxx.co.jp/intern2025

また、必要書類として以下をご準備いただいております。・履歴書(写真付き・PDF形式)・志望動機(400字程度)

ご不明点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。□□様のご応募を心よりお待ちしております。

株式会社〇〇 人事部


【例2】新卒採用へのエントリー希望

応募者からのメール(初期接触):


件名:新卒採用についてのお問い合わせ


本文:株式会社〇〇 人事ご担当者様

突然のご連絡失礼いたします。〇〇大学△△学部4年の××と申します。貴社の企業理念と事業内容に深く共感し、新卒採用への応募を検討しております。エントリー方法や今後の選考スケジュールについてご教示いただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。


返信草案:


件名:新卒採用のご案内について


本文:××様

このたびは弊社に関心をお寄せいただき、誠にありがとうございます。2025年度新卒採用につきましては、現在以下のナビサイトにてエントリー受付中です。

選考スケジュールは以下の通りです:

・エントリー締切:8月15日

・Web説明会:8月下旬

・書類選考:9月上旬・面接(2回):9月中旬~下旬予定

ご不明点があれば、お気軽にお問い合わせください。××様のご応募を心よりお待ちしております。

株式会社〇〇 採用担当

【例3】企業研究中の学生からの事前質問

応募者からのメール(初期接触):


件名:企業研究に関するご質問


本文:株式会社〇〇 ご担当者様

はじめまして。〇〇大学の▲▲と申します。現在、貴社の業界研究および企業理解を進めており、貴社のインターン参加を視野に入れております。

差し支えなければ、以下の点について教えていただけますでしょうか。・貴社の新卒採用で重視される点・活躍されている若手社員の特徴

突然のご連絡となり恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。


返信草案:

件名:ご質問へのご回答


本文:▲▲様

このたびは弊社にご関心をお持ちいただき、誠にありがとうございます。以下、ご質問いただいた件についてご回答申し上げます。

・重視している点:主体性、課題解決力、協働姿勢を重視しております。・若手社員の特徴:自ら動く力と、チームとの連携力をバランス良く持った方が活躍しています。

弊社の採用ページでも先輩社員のインタビューを掲載しておりますので、よろしければご覧ください。

【採用ページURL】https://〇〇.co.jp/recruit

今後ともよろしくお願いいたします。

株式会社〇〇 採用担当


⇩手作業とRPA処理の比較

比較項目

手作業対応

自動処理(RPA+生成AI)

平均対応時間

約10分/件

約2分/件

応答文の精度

高い(人力)

ほぼ問題なし

文体・語調の自然さ

自然

少し固いが許容範囲内

処理の一貫性

人によりばらつき

一定

実証の結果、想像以上にスムーズに動きました。生成AIの文章も自然で、細かいニュアンスは後で修正すれば十分実用に足るものでした。

ただし、完全放置での実運用には、「表現のチェック」「添付ファイルの扱い」など課題も見えました。

5. 人事の他領域で応用できるか?

今回の検証を踏まえ、人事の他業務でも以下のような活用が見込めます。

業務領域

活用方法

勤怠管理

打刻ミスの検出→該当者へAI生成文で通知

評価業務

評価コメントを要約し、集約レポート化

労務管理

入社書類のチェック→誤記抽出+差戻し通知

一つひとつは小さな効率化でも、積み重ねれば人事担当者の負担を大幅に軽減できます。

6. 導入へのステップ:小さく始めて大きく育てる

「興味はあるけど、難しそう」と感じる方も多いと思います。

しかし、今回のように1つのシナリオだけでも十分な効果が得られます。

おすすめの導入ステップ:

  1. 対象業務を1つに絞る(例:応募者メール対応)

  2. 手順を明文化(いつ、誰が、何をするか)

  3. 生成AIで文章生成を試してみる(ChatGPTなど)

  4. RPAで処理の自動化を設計(Power Automateなど)

専門知識がなくても、試行錯誤で少しずつ構築していけるのが、今のツールの良いところです。

7. まとめ:「人を活かす」人事へ向けて

人事は本来、「人と組織の成長を支える」役割です。単純作業に時間を奪われるのは、本来のミッションに逆行しています。

RPAと生成AIを活用することで、人事担当者がより本質的な仕事に集中できる環境を作ることができます。まずは小さくても、“自分で動かしてみる”一歩が、未来の業務改革につながります。


↓RPA運用サポート.comへの無料相談はこちらから

全国リモート対応可能。お気軽にお問い合わせください。


↓こちらから資料をダウンロードできます


bottom of page