RPAで医療機関の事務作業の
「施設の患者人数確認」を自動化!
カルテ記録をもとに、定期訪問患者数を正確・効率的に集計
まずは、今回のRPAがどのように施設ごとの患者人数確認を自動化しているのか。
実際のシナリオ実行 画面ダイジェストをご覧ください。
(一部個人情報を含むため、モザイク処理を施しています。)
*こちらは、運用サポート.com(株式会社ドットコネクト)にてシナリオ作成させていただきました。
■ 導入のきっかけ
複数のクリニックを運営する訪問医療グループでは、
将来的に「行為欄入力」をRPAで自動化することを 見据え、
まずはその前段階として「施設ごとの定期訪問患者数」を正確に把握する仕組みが求められていました。
従来は、モバカルシステム上で患者ごとにカルテを開き、
対象月の「定期訪問」があるかを目視で確認しながら手動で人数をカウント。
結果をメモ帳にまとめ、施設ごとに保存するという流れでした。
対象となる施設もクリニックごとに異なり、
手作業では漏れや重複が生じやすく、確認に多くの時間がかかっていました。
■ 自動化の目的
RPA導入の目的は、
施設単位での患者確認・人数集計を標準化し、
将来的な「行為欄入力自動化」に向けた基礎データを正確に蓄積すること。
また、施設選定から人数算出までの流れを全自動化することで、
人的な判断ミスをなくし、毎月の確認作業時間を大幅に削減することを目指しました。
■ RPAが行う具体的な処理の流れ
本シナリオでは、Googleスプレッドシートとモバカル(電子カルテシステム)を連携し、
対象施設の抽出から人数カウント、結果出力までを完全自動化しています。
① 対象施設の抽出
RPAはまず、患者一覧スプレッドシートを開きます。
居宅の患者は対象外とし、居宅以外の「施設患者」のみを抽出します。
そのうえで、各施設ごとに「カルテ記載完了」列を確認。
一人でも「〇」がある施設は作業対象とし、全員が空欄または未完了なら対象外とします。
こうして自動で「作業対象となる施設リスト」を生成します。


↑患者一覧スプレッドシート
② モバカルでの患者確認
続いて、RPAはモバカルの「患者情報」タブを開き、
抽出された対象施設を順にクリックして患者一覧を表示。
患者番号で検索するのではなく、画面上に表示された患者を上から順に開きます。
各患者のカルテを開き、対 象月の診療記録の中に
「診療タイプ:定期訪問」があるかをチェック。
1回でもあれば、その患者を「カウント+1」とし、
同月に複数回定期訪問があっても1人として数えます。

↑モバカル画面(患者一覧)

↑モバカル画面(患者情報)
③ データ保存と出力
対象月の指定はデータ保存時に自動で行われ、
RPAはすべての施設のカウントを完了すると、結果をまとめてメモ帳に出力します。
メモ帳には以下の形式で記録:
施設A:10
施設B:8
施設C:12
出力されたメモ帳は、
「施設人数確認 > 施設名 > メモ帳ファイル」
という階層構造で自動保存されます。
ファイル名は
YYYYMM_クリニック名_施設人数確認.txt
の形式で統一され、月次処理ごとに自動的に蓄積されていきます。
■ 開発中に直面した課題と工夫
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施設対象条件の明確化
「一人でも〇があれば対象」というシンプルな条件を論理式で実装。
施設ごとに対象可否を瞬時に判断できるようにしました。
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定期訪問の一意カウント処理
同一患者が同月に複数回訪問していても重複カウントしないように制御。
患者単位の正確な人数集計を実現しています。
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結果出力の汎用性
結果をスプレッドシートではなくメモ帳に出力することで、
軽量でシンプルな運用を実現。
他の自動化シナリオへの連携も容易です。
■ 導入効果
このRPA導入により、
施設ごとの定期訪問患者数確認は完全自動化され、
各クリニックでの確認作業はほぼ不要になりました。
従来は施設ごとに担当者が数時間かけて行っていた確認作業が、
現在では数十分で完了。
入力ミスやカウント漏れもゼロに近づき、
行為欄自動化のための基礎データ収集が正確かつ安定して行えるようになりました。
■ 他業種への展開可能性
このシナリオは「対象データを抽出し、条件分岐でスプレッドシートへ登録する」という汎用構造を持っています。
そのため、医療機関だけでなく、以下のような業務にも応用が可能です。
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返戻以外のレセプト処理結果の自動整理
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医療費支給明細や給付金データの転記
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行政提出用リストの自動生成 など
今回の自動化によって、
定期訪問患者数という基礎情報を毎月自動で取得できるようになったことで、
次のステップとして予定されている「行為欄入力の自動化」にもスムーズに移行可能となりました。
また、この仕組みは他の医療機関でもそのまま応用でき、
施設・居宅別データの自動分類や、月次実績集計などへの展開も期待されています。
