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RPAで整骨院の患者登録を自動化!
整骨院担当スタッフの毎朝の登録作業を~時間から~分へ短縮

まずは、RPAがこちらの整骨院の朝の患者登録をどのように自動化しているのか。

実際のシナリオ実行画面を収録した動画をご覧ください。(一部個人情報が含まれるので、モザイク処理を施しています。)

*こちらは、運用サポート.com(株式会社ドットコネクト)にてシナリオ作成させていただきました。

■ 導入のきっかけ

茨城県つくば市で整骨院を運営するこの院では、
予約管理システム「エアリザーブ」に登録された来院予定者を、
毎朝手作業でレセコン(患者管理システム)に検索・登録していました。

担当スタッフが患者ごとに名前を検索し、前回施術内容を確認して入力する作業を繰り返すうちに、 「名前の打ち間違い」「転記漏れ」などのミスが発生。


また、スタッフごとに操作手順が異なるため、作業は完全に属人化していました。

少人数体制で1日70名程度の患者を迎える現場では、
施術準備に取りかかる時間が後ろ倒しになり、朝の慌ただしさが課題となっていました。

「自動化できる部分はRPAに任せて、人は患者対応に集中したい」


――こうした現場の課題意識をもとに、RPAによる自動化の検討が始まりました。

■ 導入前の課題

従来の作業フローは次のようなものでした。

エアリザーブで当日の来院予定一覧を開く
→ 特定患者の名前をコピー
→ コピーした患者をレセコンで検索
→ 前回施術内容・金額を参照し入力
→すべての患者に対し繰り返す

この流れを毎朝、当日来院予定の患者約70名分全員に対し行っており、1回あたり~時間の作業負担がかかっていました。


さらに、入力誤りや確認漏れなどのヒューマンエラー、担当スタッフによる処理手順のばらつき、作業集中による施術準備の遅れといった問題が積み重なり、改善が急務となっていました。

■ 自動化の目的

RPA導入の目的は、こうした属人化をなくして業務を標準化し、誰が担当しても同じ手順・同じ精度で処理を完了できる仕組みを整えることにありました。同時に、手作業に伴う転記ミスや入力漏れを自動化によって防止し、レセコン上の患者情報を常に正確に保つことも狙いの一つでした。さらに、毎朝の入力に費やしていた時間を短縮することで、スタッフが施術準備や患者対応により集中できる環境をつくることも重要な目的でした。

「RPAが人の代わりに患者登録をこなし、人は“患者対応”に専念する」――。

この考え方を軸に、この整骨院では現場の作業を見直し、確実かつ効率的に動く仕組みづくりを進めていきました。

■ RPAが行う具体的な処理の流れ

この整骨院では、毎朝行われていた患者登録作業をRPAで再現するために、実際の業務を詳細にヒアリングし、スタッフの操作手順や判断の流れを一つひとつ整理しました。単に手動作業を置き換えるのではなく、「人が無意識に行っている確認や判断をどのように自動化するか」を意識して設計を進めました。

使用ツールは、予約管理システムのエアリザーブ、患者管理システムのレセコン、データ管理用のExcel(マクロ付き)、および進行通知用のChatworkです。これらをRPAが連携させ、朝の一連の登録業務を自動で実行します。

 

まず、RPAはエアリザーブにアクセスし、当日の来院予定者リストを自動で取得します。

1.png

↑エアリザーブ画面

続いて、1患者ずつExcel上の「患者マスタ」を参照して前回の施術内容や金額を取得します。

↑患者マスタ.xlsm

次に、RPAはレセコンに自動でログインし、1患者ずつ患者名を検索して施術内容と金額を入力していきます。

↑レセコン画面

1患者の登録作業が完了すると、RPAは施術内容・金額などを自動で「集計用Excel」に転記まとめます。

↑集計用Excel画面

すべての患者で登録を終えると、RPAがメモ帳に「実行終了しました」と自動記録を残し、弊社Chatworkに「実行開始」「完了」のメッセージを送信します。これにより、整骨院の担当スタッフが、毎朝PCのメモ帳の記録を確認することで、RPAの実行が終了していることを確認できます。 また弊社としても、Chatworkの通知を見ることで、RPAの実行が正常に終了したのか、もしくはエラーで実行が停止しているのかを速やかに確認でき、もしもエラーが生じた際には遠隔操作でシナリオの修正を行うことができます。

この仕組みによって、従来は手作業で~時間かかっていた全ての患者登録業務が、RPA導入後は一部の手入力が必要な患者のみ(後述)となり、~分で完了するようになりました。現在、整骨院の担当スタッフの朝の業務は「RPAが生成した集計用Excelを確認し、未登録患者を数名だけ手入力する」だけです。

■ 開発中に直面した課題と工夫

このシナリオ開発にあたって、単に操作手順を自動化するだけでなく、実際の運用環境に合わせた細かな調整を重ねました。導入後に安定して稼働し続けることを最優先に、通信環境やシステム仕様など、現場特有の条件を丁寧に検証しながら仕組みを最適化していきました。

① エアリザーブの読み込み時間に対応

エアリザーブは通信状況や登録データ量によって読み込み時間が変動するため、画面の内容が完全に表示される前に次の操作を実行すると、RPAがエラーで停止してしまうことがありました。
この課題に対しては、画面遷移前に一定の待機時間を設け、読み込み完了をRPAが確実に検知できるように設定を調整し、日ごとの通信環境の違いにも柔軟に対応できるようにしました。
結果として現在では、エアリザーブの処理安定性が大幅に向上し、毎朝の自動実行でもエラー停止が発生しない運用を実現しています。

↑RPA実行中のエアリザーブ読み込み画面

② レセコンの制約をExcel連携で克服

レセコンはこの整骨院の専用システムであり、RPAが得意とする座標認識や文字列取得ができない構造になっていました。そのため、レセコン上での施術内容や金額の表記を読み取り登録することができず、他の方法がないか苦心しながら模索していました。

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↑レセコン上の施術内容や金額の表記

この制約を解消するため、患者情報をExcel上で一元管理する仕組みに変更しました。RPAは、あらかじめ整骨院さんに作成していただいた「患者マスタ(Excel)」を参照して施術内容や金額を自動で取得し、レセコンに正確に入力するように設計しました。


この方法により、レセコン固有の制約に左右されず、常に同じ精度で入力を行えるようになりました。

↑患者マスタ(Excel)の管理画面

③“人の判断”を残すハイブリッド設計

RPAによる自動化では、すべてをRPAに任せるのではなく、あえて「人の判断が必要な部分」を明確に切り分けました。

というのも、新規患者や同姓同名のケースでは、Excel上の患者マスタに該当情報が存在しないため、RPAが自動登録できない状況が発生します。こうしたケースでは、RPAが自動的にExcelの空き列に、「×」と登録できなかった理由を記載し、後から担当スタッフがこれを見て手入力で登録補完できるようにしています。

↑集計用Excelの“例外処理”記載用列画面

このように、単なる自動化ではなく、現場で確実に動くための調整を行ったことで、 RPAが毎朝安定して稼働し、担当スタッフの負担を軽減する仕組みが完成しました。

■ 導入効果

今回のRPAの導入によって、こちらの整骨院では朝の患者登録業務の効率が大幅に改善されました。


先述したように、これまでスタッフが~時間かけて行っていた入力作業は、RPAの自動処理によって、スタッフの作業時間は~分に短縮されました。
結果として、毎朝の作業時間を~%削減し、年間換算でおよそ~時間分の業務効率化を実現しました。

また、手作業による入力や転記がなくなったことで、誤入力や確認漏れといったヒューマンエラーがほぼゼロになり、データの正確性が向上したことで、後工程での修正作業も不要になりました。
 

今後より一層、業務の再確認や二重チェックにかかっていた時間を別の業務に振り分けることが可能になり、スタッフ全体の稼働バランスが改善されることでしょう。

さらに、今回の取り組みを通じてRPA運用のノウハウが院内に蓄積され、次は他業務にも展開できるのではないかと感じています。

■ 他業種への展開可能性

今回構築したRPAの仕組みは、「顧客の予約情報を取得し、登録を自動化する」という流れを基本としており、同様の業務構造を持つ多くの業種で応用ができます。特に、人手によるデータ入力や確認作業が発生している現場では、導入効果が高いと考えています。

特に医療・治療院業界では、今回の整骨院と同様に、予約システムとレセコンの連携が課題となるケースが多く見られます。RPAを活用すれば、来院予定者情報の自動登録や施術履歴の参照といったルーティン作業を自動化でき、担当スタッフの負担を軽減することができます。

また、美容院やエステサロンなどのサービス業でも、予約情報の取得から顧客データベースへの登録、施術内容の記録までの流れは共通しています。RPAによってこの一連の処理を自動化すれば、受付業務の効率化だけでなく、顧客対応品質の均一化にもつながるでしょう。

■ まとめ

RPAの導入により、この整骨院では毎朝の患者登録業務を大幅に短縮し、作業の属人化を解消するとともに、入力精度の向上を実現しました。


従来はスタッフの手作業で~時間を要していた登録作業が、RPAによって~分で完了するようになり、施術準備や患者対応にあてられる時間が格段に増えています。

さらに、Excelマスタを活用した患者情報の一元管理やChatworkとの連携による処理状況の自動通知などにより、運用面でも安定した仕組みが確立されています。
 

この事例は、少人数体制でも確実な成果を出せることを示す好例です。
限られた人員で多くの業務を担う現場ほど、RPAの効果は大きく、今回の整骨院のような現場主導の導入モデルは、今後の中小事業者にとっても大きな指針となるでしょう。

「人手不足で事務が追いつかない」「毎日のルーチンに時間を取られている」——もしそんな課題を抱えているなら、RPA導入によって業務を根本から見直すチャンスです。

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