エクセル作業をRPAで自動化し、業務の効率化を図ろう

序章 面倒なエクセル業務をRPAで自動化!
普段の業務の中で、エクセルでは膨大な数字や名簿のリストなど、多くのデータを扱うことがあることでしょう。
そこでこんなエクセル業務に悩まされてはいませんか?
・定期的に繰り返し行っていて負担になっている
・入力ミスが発生しやすい
・エクセルから他のシステムへの入力が面倒
これらはまさにRPAを使うことで改善でき、業務効率を上げられる業務です。
RPAはこういった業務を得意分野としており、人間よりはるかに速く、ミスなく行うことが可能です。
日常業務の中でエクセルを使う業務を考えてみてください。
・データのコピペ
・エクセルデータを基幹システム等に二重入力
・定型レポートの作成
・複数ファイルの統合
・数値のチェックや条件判定
・CSVやPDF出力→メール添付
こういった頭で考える必要性がそこまで高くない、エクセルにおける定型化された作業はRPAの得意分野といえます。
一章 RPAとは?エクセルマクロとの違いは?
エクセルの作業を自動化するならエクセルマクロじゃダメなの?
では、なぜRPAを選ぶのか。一体、どこにお金を払ってまでRPAを使う利点があるのか。という疑問が出ると思います。
(1)様々なアプリケーションへの対応力
(2)プログラミング言語学習が不要
この二つがRPAを使う主な利点です。
(1)様々なアプリケーションへの対応力によって生まれる違い
RPAはパソコン上で扱うあらゆるシステム・アプリケーションを用いた操作を対象に自動化を行うことができます。
一方で、エクセルマクロは基本的にはエクセル内での操作・集計作業等を自動化するツールです。
つまり、他のウェブサイトやアプリ、メールやエクセルではないファイルを含めた自動化は行えないということです。
業務全体で見れば、エクセルのみで完結することはあまりないと思います。例えば、エクセルで作業したアウトプット物を、次の工程でメールに添付したり、作成したレポートをBOXやGoogleドライブにアップロードしたり、集計結果を基幹システムに入力したり。
Office製品内だけでなく、エクセルから別のサイトやアプリケーションを用いた業務もRPAならばまとめて自動化が可能です。
これらの利点を使って、マクロの代わりにRPAを使ったり、エクセルマクロの実行をRPAに行わせる企業様も多くいらっしゃいます。
(2)プログラミング言語学習が不要な点
RPAはプログラミング言語の学習が不要であり、直感的にシナリオを作成することができます。
一方、エクセルマクロを作成するためには、VBAというプログラミング言語の習得が必要です。これにはプログラムに比較的明るい人員の確保が必要になります。
また、エクセルマクロを組める人が社内にいたとしても、多くの企業でその人に属人化しやすいという課題が残ります。
組んだ人しか中身が分からないというのはエクセルマクロではよく発生することですが、RPAであればプログラミング言語を使わないため、マクロに比べれば属人化しづらいといえます。
二章 エクセル業務をRPAで自動化した事例3選
事例①基幹システムから出力したCSVファイルのデータから、月次レポートを作成
とあるメガネショップチェーン店様では、管理本部にて毎月実績レポートを作成しています。
これまでは人が手作業で行っていたのをRPAに置き換えました。
レポートを作成するために必要なデータは、基幹システムから先月分のあらゆる実績データを出力します。
ただしそのデータは数百ある店舗ごとのデータになっているので、一度、全店舗分を集計します。
そして、その合計値をレポート用のエクセルファイルに転記していくのです。
これにより、これまで毎月4時間程度かかっていた業務が、RPAだと1時間程度で終わるようになりました。





















事例②PDFのデータをエクセルに転記
とある金属買取回収を行っている企業様では、取引先から届く複数種類の金属の買取単価が記載されたPDF表を、
当社独自のエクセルに転記する業務をRPAで自動化しました。
金属などの種類もたくさんあり、取引先もいくつもあるため、それらをひとつのエクセルに統合し、
素材ごとに買取単価の良いところに買い取ってもらうために重要な業務なのです。
それまでは値段が更新されるたびに社長様が行っていましたが、自動化したことで業務負担が軽減しました。
今回は、テキスト情報を取得できるタイプのPDFファイルだったため自動化ができました。
















事例③
とある病院(クリニック)様では、予約が入っている患者ごとの検査内容が登録されているkintoneの情報を
CSVファイルで抽出し、それを電子カルテシステムに1人ずつ登録していく業務をRPAで自動化しました。
kintoneに予約情報が登録されているのですが、電子カルテシステムとAPI連携されている訳ではないので、
二重入力が必要になっていたわけです。
検査内容も多岐に渡り、電子カルテシステムで検査コースや検査項目を選択するのも一苦労であったので、
残業が多く発生していました。

















三章 そもそもRPAってどう導入するの?
エクセル業務に限らず、RPAで自動化するにあたって費用対効果を上げるために知っておきたい、RPAでの自動化導入の5ステップについてお話ししたいと思います。
ステップ1 業務の洗い出し
効率化を図るために何の業務内容が人間がやる作業において単純作業で効率が悪く、時間がかかっているか。
まずはこれについて、自社の業務内容を洗い出す必要があります。
洗い出しのコツとしては、大なり小なり面倒だな、自分じゃなくても出来そうだなと感じるような業務を把握することです。
別のアプローチとしては人間が行うことで起こるであろうヒューマンエラーが起こりやすい業務、似たような動作が多く飽き飽きしてくるような業務といった考え方でもいいでしょう。
ステップ2 タスク整理
その業務内容におけるその作業はどのような手順によって行われるのか、マウスのクリックやエクセルファイルの起動等の一挙手一投足何が行われているのか手順を把握します。メモや、紙に書いて整理するとより把握、理解がはかどると思います。
RPAは決められたパソコンの動作をそっくりそのまま動作させるので、何気ないクリック、何気ないタブ移動をきちんと認識することが必要です。このステップによっていったいどのようなRPAのシナリオになるのかという全体像が見えやすくなり、シナリオ作成での注意ポイントや作成における注意ポイントが見えてくる大事なステップです。
ステップ3 シナリオ作成
ステップ2で整理したその操作をRPAにて再現します。マウス移動やマウスクリック、ウェブページでのインターネット検索これら一動作ずつRPAにより操作を指定します。これをシナリオを作成すると表現します。
ステップ4 リスクヘッジ
ステップ3にて制作したシナリオにおいて実行し、エラーが起こる可能性がある箇所、意図した通りの挙動をしているかの洗い出しを行います。これは、実際にRPAによって業務を行った場合のリスクヘッジとして非常に重要なステップです。
ステップ5 メンテナンス
納品された作成済みシナリオをお使いいただき、業務を効率化していただく。ステップ4にて洗い出しておいたリスクが起きてしまった場合のメンテナンスを行う。どうしても、様々なアプリやウェブを使う関係上、どこかに変更が起きればうまく動かないときがあります。そんなときのためのメンテナンスが必要になってきます。





四章 知っておきたいRPAの自動化成功の秘訣
実際にエクセル業務にRPAを導入して、想定していた費用対効果を得られなかったり、失敗したくはないですよね。ここで、自動化を成功させるための3つのポイントをお教えします。
①RPAで自動化を図る業務内容をRPAに適したものに絞ること。
RPAではパターン化された業務を自動化することに適しています。
RPAはシナリオを作成する際に、この場合はこの動作を行うというルール・マニュアルを作ることによって、業務の自動化を行います。
一つ一つそれぞれ特有の業務内容を行うようなテンプレート化がされていない業務を行うことはシナリオを作る際に膨大なパターンを作る必要がある、または適した動作を作れないことにつながり、コスト、リスク、リターンの点で成功とは言えなくなってしまいます。
何がRPAを導入するに向いているかを一考しましょう。
②何に時間が割かれているのか、業務の洗い出しを行うこと。
自社の業務においてどこの部分に大きな時間を費やしているのか。どのような頻度で行っている業務なのか。例えば、毎日10分程度で終わる定型的な業務を自動化することができれば、ひと月で三時間以上もの時間をその社員はほかの業務に充てることができます。
③自動化を各部署少しずつ行い、ノウハウを養うこと。
初めは特定の小さなことから自動化しましょう。
いきなり様々な業務を自動化せずに、特定部署の特定業務から1つずつ自動化していきましょう。
作成するシナリオが長くなればなるほど、エラーが起きる部分、想定と違った動作をする部分は多くなってしまい、メンテナンスの難易度も上がってしまいます。
初めのうちは業務の自動化を少しずつ行うことで、シナリオを作成するノウハウを養え、個別に自動化した業務を動作させ、エラーが起きた際も止まるのは一つのみ、メンテナンスも一つのみに絞ることができます。また、RPAに適した作業か否かの判断も自ずとつくようになるでしょう。
特定部署の特定業務から1つずつ自動化を実現していき、それをどんどん様々な業務、様々な部署に展開し、段階的に自動化を業務全体に拡大させましょう。
第五章 エクセル業務をRPAで自動化する上でよくある失敗とその対策

RPAで自動化を行うとエラーを起こして失敗してしまうことがあります。
そういったあるあるをご紹介します。
①リスクヘッジをしなければウェブ更新によってエラーが起きる。
ウェブページでの検索を行い、とある画像、ホームボタンやその他のアイコンなど、またはとある位置をマウスの座標によってクリックする動作が入っている場合、ウェブページのクリックする場所やその画像に変更があると、正しく動作しなくなります。
こういった動作はURLでの処理や他のリスクの少ない動作で行うのがいいでしょう。
例)gmailのアプリアイコンの変更
以下のようにgmailのアイコンが変更されたことがあります。
変更前 → 変更後
■画像:菊池美範,ITmediaによる記事、該当ページ
■出典:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2011/27/news070.html
RPAでデスクトップに置き、アプリを画像検索でクリックによって起動するシナリオを作成したとします。
すると、RPAは変更前のgmailのアイコンを探し、変更後のgmailを別のアプリだと認識しクリックすることはありません。これによりRPAは正しく動作しないでしょう。
このように、様々なアイコンやUIの変更によってRPAがエラーを起こしてしまう場合があります。
②ファイルの変更によってエラーが起きる。
シナリオ内で使用されるファイルや、フォルダの内容、またその名前が変更されると正しく動作しません。いかに例を示してみましょう。
●1.取得したいテキスト内容に名称や呼び方の変更が起きるとき。
テキスト内で“顧客名:○○株式会社”といった言葉で”○○株式会社”を取得したい場合にキーワードとして”顧客名”として文章を検索し、顧客名の後ろに続く文字をコピーする動作としたとき。この場合、顧客名が企業名といった文字に書き換えられるだけで検索に引っ掛からなくなります。
これには変更をしないように、社内で規格、名称を統一する必要があります。
どうしてもできない場合は、あらかじめ顧客名が明記されたリストを作っておき、確実に存在するもの、例えば“会社”であったり”様”などの顧客名についている文字をテキスト内で検索をかけてヒットした顧客名をリストとマッチするものに絞ると適切な企業名を取得できるでしょう。
取得結果 株式会社CCCCC → 取得結果 エラー
●2.ファイル名がその都度更新される場合。
エクセルファイルなど、○○△といったファイルを開くとしているのに、名前を更新して○○△ver2などにすると開かなくなります。○○△を含むものにすると○○△ver2だけでなく○○△□もヒットしてしまうようになる可能性が出てきます。これは、前回のRPA動作の際に新しく更新する名前をRPAの方に保存する。または、名前の変更を行わずに、一つのファイルを更新する。この二つの案のどちらかとなってくるでしょう
上の画像の場合、”在庫管理リスト”で検索をかけると、ヒットする項目が複数となり編集したい任意のファイルにアクセスできません。
方法① ファイルを一つに絞り、同一ファイルを更新し続ける。
この場合参照するファイルは一つなので、間違ったファイルを編集してしまうという、リスクをなくすことができます。
方法②ファイル名にRPA実行日を入力すれば、ファイル名の昇順や降順によって最新のファイルを任意の場所に持ってくることができます。これによって、ファイルを編集しても、過去のデータは残るので間違ったファイルを編集するリスクを減らしつつ、間違ってしまう、または過去のデータも参照したいといった場合にはリスクヘッジをしつつリカバリーも兼ねた方法となります。
●3.エクセルファイルの行や列の記載内容に変更が起きる場合。
エクセルファイルの1シート目のC列目をコピーする動作が間の行が一行増えることで、D行になってしまうとシナリオ上ではC行目をコピーしてしまうので、正しく動作しなくなります。このように、ファイルの書き換えによるエラーは起きてしまいます。
本来は変更が起きないようにすることがRPAの動作にいいと思いますが、どうしてもという場合には、エクセルの記載内容を全て取得し、本来書き込むべき項目の名称とマッチするものを検索するという方法があります。
④シナリオ作成によって属人化のリスクがある。
シナリオ作成を行う際に、このステップはどのようなことを意図して行っているかなどの説明がなければ、作った当人しか動作内容が分からず後々何かエラーが起きた際に直す人がいなくなってしまいます。シナリオを作成する際は動作の意図、手段を明示することがのちに重要になります。






第六章 エクセル作業は自動化を図る一歩目に最適
エクセル作業は序章でもお話したように、自動化を行うのに適しています。また、エクセル作業にはシナリオを短く作成できる業務がよくあり、小さな自動化を行えます。この小さな自動化によって年間でも大きな時間を節約することができ、自動化の成功体験として実感が得られやすいです。このようにエクセルによって自動化を行うことで小さな成功体験を積みながら自動化を行うノウハウを育てるといった意味でも適しているといえるでしょう。
このノウハウによって、RPAにはどのような作業が効率よく行えるのか、自社の業務内容を今一度、この業務自動化できないか?という視点にRPAへの理解を持った状態で立つことができます。はじめよりももっとブラッシュアップされた業務の洗い出しもできるようになり、効率が上がっていきます。
この先駆けとして、エクセル作業の自動化という一歩目は有意義なものとなります。
第七章 エクセル業務を自動化させるのに向いているRPA
🔹 Power Automate(Microsoft)
■画像:microsoftの該当ページ
■出典: https://www.microsoft.com/ja-jp/power-platform
強み
•エクセルとの親和性◎:Microsoft製なので、Microsoft製品との連携がシームレスで行える!。
•導入コストが低い:Office 365 Business に含まれている場合もあり、コストを抑えて導入可能。
弱み
•高度な処理には不向き:例外処理や複雑なロジックには限界。
•日本語情報が少なめ:英語中心のため、学習時にやや苦労する可能性あり。
•アップデート対応が不明瞭:大企業であるためにアップデートが積極的でない。
•最初はやや複雑:多機能なぶん、初心者には取っ付きづらい。
習得難易度:非エンジニアにはややむずかしい
🔹 UiPath
■画像:UiPathの該当ページ
強み
•無料で始められる:Community版あり。
•学習環境が充実:UiPath Academy による無料動画で独学しやすい。
•幅広い自動化対象:エクセル、ブラウザ、PDF、API など対応範囲が広い。
弱み
•最初はやや複雑:多機能なぶん、初心者には取っ付きづらい。
•習得難易度:非エンジニアにはややむずかしい声が多い。
•企業導入には学習コストがかかる。
アップデート対応が不明瞭:大企業であるためにアップデートが積極的でない。
🔹 WinActor
■画像:Winactorの該当ページ
強み
•完全日本語対応:マニュアル、サポート含め安心。
•大企業のブランドネーム
弱み
•価格がやや高め:ライセンスコストが他と比較して高い。
•習得難易度:視覚的な操作ではあるが、非エンジニアには難しい声が多い
•アップデート対応が不明瞭:大企業であるためにアップデートが積極的でない。
🔹 MICHIRU RPA
■画像:株式会社MICHIRUの該当ページ
強み
•画像認識+スクリプトの両立:視覚操作に加え、エクセルに関するスクリプト機能が豊富かつ使いやすい。
•処理スピードが高速:バッチ処理や繰り返し操作でも軽快に動作。
•Windowsタスクスケジューラ連携:定時実行が柔軟。
•フローティングライセンス対応:複数拠点での運用が効率的。
•低価格:月額5万円~使用でき、RPAの価格帯としては比較的低価格
•日本語対応である:日本語に完全対応であるため扱いやすい
•アップデート:アップデートによる積極的な機能強化
弱み
•Windows専用:MacやLinuxには非対応。
•UI変更に弱い:画像認識中心の箇所は画面変更に敏感。
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